広田アシックス社長「追い風を感じている」 「100万人の心を動かす」を開始

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 アシックス(7936)の広田康人社長COO(最高執行責任者)は2日午後に開いたアナリスト向けの事業説明会で「アシックスは追い風を感じている」と述べ、2020年に日米欧3地域ともランニングシューズの市場シェア3位以内を獲得できたのを強調した。特に首位に立った欧州では「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、新たにランニングを始めた顧客をの取り込みに成功した」と説明した。今後は日米でもシェア拡大をめざす。

 広田社長は、同社が中長期的にめざす姿が「『ランニングといえばアシックス』と言われるブランドになること」と改めて説明。そのために日米欧の主要3市場でシェア首位をねらうという。日本ではスピードモデル(速く走れるシューズ)の発売で、全体のシェアアップをねらう。米国では引き続き、ランニング専門店の連携して販売を強化する。そのうえで新興国での事業拡大や、デジタルを通じた顧客サービスの強化などを展開する。

 加えて同日から「100万人の心を動かす」プロジェクトを開始したと広田氏が発表。脳科学と運動データ分析の知見を投入して開発した、感情と認知能力に対するスポーツの寄与を定量化する専用ツール「Mind Uplifter」を使う(図は画面例=アシックス提供)。20分程度の運動の前後に質問に答えることで精神状態の変化を判定する実証実験で、一般に無料公開。100万人の利用をめざす。多くの人がスポーツに精神的な好影響を求めていることに着目した。

 加えて説明会でマーケティング統括部長の甲田知子執行役員は、競合する他のスポーツブランドが総じて「ヒーロー」「勝つことがすべて」を志向していると指摘。アシックスの経営理念「スポーツで心と体を健康にする」は異彩を放つとの見方を示した。コロナ禍を受けて、スポーツに精神的な好影響を求める動きが世界的に広がる中、「われわれの理念を正直に前に出すことが一番、消費者とつながることができるメッセージだ」と話していた。

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