川重、LPG兼用のアンモニア運搬船を開発 橋本社長「船主の経営リスク低減」
- 2021/06/02
- 02:35
川崎重工業(7012)は1日に開いた事業説明会で、液化石油ガス(LPG)とアンモニアを両方運べる兼用運搬船を開発したと発表した。燃やしても二酸化炭素(CO2)が出ないことから、燃料として需要増が予想されるアンモニアの輸送需要が増えるとの見込みに対応した。1隻の船に4つのタンクを搭載し、タンクごとにアンモニアとLPGを積み分けられる船の実用化で、船主の関心も高まりやすいとみる。
さらにアンモニアはマイナス33度で液化する。LPGが液化する温度(プロパンはマイナス42度)と近いことに着目し、アンモニアとLPGの両方が運べる船の開発を手がけた。一方で、マイナス253度で運搬する水素よりも、取り扱いが容易であるのもアンモニアに需要が高まるとみられる理由だ。
アンモニアの多くは化学肥料として使用し、一部は樹脂の減量になるのが一般的な用途だ。ただ「脱炭素」の流れが加速したのを受けて、水素を取り出す原料としての利用拡大も期待されている。このほかアンモニア自体を燃料とする用途を模索する動きもあり、輸送の需要が高まる公算は大きい。
さらにアンモニアはマイナス33度で液化する。LPGが液化する温度(プロパンはマイナス42度)と近いことに着目し、アンモニアとLPGの両方が運べる船の開発を手がけた。一方で、マイナス253度で運搬する水素よりも、取り扱いが容易であるのもアンモニアに需要が高まるとみられる理由だ。
船体は従来のLPG運搬船とほぼ同じ大きさ。船の推進力になる燃料はLNG(液化天然ガス)になる。橋本康彦社長は「アンモニア専用の運搬船は以前もあったが、将来どれぐらいアンモニアの需要が増えるか分からない中で、これまでも運んできたLPGも運べるとなると、船主の経営リスクを低減できる」と兼用運搬船のメリットを強調。兼用船ができないか「いろいろなところから問い合わせをいただいていた」と開発の経緯を明かした。
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