三船トーカロ社長「半導体の次はエネルギーか」 コスト抑制競争は厳しい?

20210511三船トーカロ社長

 表面加工処理のトーカロ(3433)の三船法行社長(写真)は10日午後に神戸市内で2021年3月期決算発表で記者会見し、「半導体の次に成長性がありそうで面白いのは、エネルギー関係ではないか」との見方を語った。これまで同社のエネルギー関連といえば、たとえば石炭火力発電所で、炉や煙突の内部を保護する皮膜加工などだった。単純に石炭を燃焼する発電所は徐々になくなる見通しだが「今後は石炭と一緒にアンモニアを燃やしたり、水素を燃やしたりといった動きが出てくる中で、(排気中の有害物質を抑える目的などに)内部の皮膜を工夫するという話も出てくるだろう」とみる。

 このほか大容量、高エネルギー密度で、再生可能エネルギーの安定供給に寄与するとも期待されている「NAS電池」は、内部の電極を表面処理で長持ちさせる。普及が進むリチウムイオン電池は製造装置の部品に、やはり表面処理が必要だ。世界を見渡せば携帯端末の普及や、自動車の電動化など電池が必要とされる場面は増えている。三船氏は「電池分野は、半導体ほどでないにしても、大きな市場になるのではないか」と踏んでいる。とにかく「エネルギーはお金が落ちる」。生産にも消費にも必需品というわけだ。

 ただ「エネルギーはコスト」でもあるという。必ず使うものだけに、常に安価なものを求められ続けるのがエネルギー関連のビジネスだと三船氏は指摘する。コストを抑える戦いに勝ち抜かなければ、エネルギー分野では生きていけないのではないか--。景気に左右されやすいことから「半導体サイクル」まで指摘されている半導体分野とは、また違った難しさがあるようだ。

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