三宮再開発 市役所新2号館ホール計画中止、アーティスト緊急支援で補正予算

20210422三宮大中ホール

 神戸市は21日、建設を予定している市役所本庁舎2号館に組み込む予定だった、音楽ホールの計画を中止すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて支出を抑える一環で、建設費や維持費がかさむ施設を縮小する。神戸市が新型コロナを理由に、三宮再開発に関連する開発計画を縮小するのは初めて。同時に新型コロナで活動できなくなったアーティストらの緊急支援に乗り出す。久元喜造神戸市長が同日の定例記者会見で明らかにした。

 本庁舎2号館に音楽ホールを計画した意図は、三宮駅周辺から南方面へと人の流れを誘導する「にぎわい創出が目的だった」という。だが、安藤忠雄氏が寄付する子供向け図書館が東遊園地内に建設されるなど「フラワーロード沿いに従来(想定)とは違う計画も出てきた」と説明。新港第2突堤に大規模アリーナの建設が決まったこともあり、音楽ホールがなくても人通りが期待できると判断した。

 2号館の音楽ホールに予定した機能は、三宮駅南東部のバスターミナルビル内に老朽化した「神戸文化ホール」(神戸市中央区)の後継施設として建設する中ホールや、大ホールの練習室などで吸収する。神戸市室内管弦楽団と、神戸市混声合唱団の本拠地もバスターミナルビルのホールになる。中ホールには残響音を制御する機能などを組み込み、行事の種類によって最適の音響を確保したい考えだ。ホールの計画中止に伴い、神戸市は新2号館の基本計画を一部改正する方針だ。

 神戸市によると、新2号館の建設による借金の返済にかかる30年間で、合計およそ85億円(一般財源ベース)の支出削減を見込んでいるという。整備にかかる費用が減少するほか、維持管理の費用が削減できることを見込んだ。この85億円を財源に、文化・芸術振興に20億円と、財政健全化に65億円を充てる。文化・芸術振興は単純平均すると年間7000万円弱の財源だが、新型コロナ感染収束後も持続的に支援したい考えだ。

 アーティストらの緊急支援については、早期に内容をまとめて6月に編成する補正予算に盛り込む方針だ。具体的な内容は現時点で決まっていないというが、久元氏は「いずれにしても即効性のあるものにしたい」と強調していた。(図は大ホール、中ホールが入居予定のバスターミナルビル完成予想図=神戸市提供、事業協力者の作図であり実現すると決まった案ではない)

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