MORESCOの今期、純利益2.3倍に 大阪の賃貸用ビル売却で特別利益

20210413MORESCO中期計画

 特殊潤滑油など化学品を製造販売するMORESCO(5018)は13日、2022年2月期の連結純利益が前期比2.3倍の12億円になりそうだと発表した。大阪市中央区の賃貸用ビル「モレスコ本町ビル」を28日付で売却し、売却益の8億円を単独決算の特別利益に計上するのが寄与する。前期は新型コロナウイルスの感染拡大で低迷した世界経済が正常化する流れで、収益が回復するのも寄与する。

 売上高は6%増の258億円、営業利益は39%増の11億円を見込む。新型コロナの影響で落ち込んだ自動車生産の回復は今期も継続するとの見方から、特殊潤滑油の販売回復を想定。自動車の内装にも使うホットメルト接着剤も伸びる。ハードディスク向けの需要後退などが逆風の合成潤滑油と、訪日外国人の減少で化粧品用途が弱含む素材部門の販売減を補う見通し。年間配当金は前期据え置きの40円(うち中間20円)の計画だ。

 モレスコ本町ビルの売却で、同社は賃貸ビル事業から撤退。経営資源を潤滑油などの化学品に集中する。これに伴い中期経営計画の目標も変更した。24年2月期の売上高目標は、21年3月期の実績比で22%増の297億5000万円。賃貸ビル事業で見込んでいた年5000万円の売上高がなくなることを盛り込み、従来の298億円から引き下げた。24年2月期の営業利益は同2.6倍の22億3000万円(従来目標は22億6000万円)をめざす。

 同時に発表した21年2月期の連結決算は、純利益が前の期比33%減の5億1800万円だった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて自動車の生産が急減した3〜8月期に、ダイカスト用油剤など特殊潤滑油の販売が大幅に減少したことなどが響いた。下期には回復基調をたどったが、ばん回しきれなかった。売上高は10%減の244億円、営業利益は34%減の12億円になった。

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