久元神戸市長、V-SYS支援もワクチン接種の課題 供給計画「全市町村長の願い」

20201113久元神戸市長

 神戸市の久元喜造市長(写真=資料)は11日午前にNHKが放送したテレビ番組「日曜討論」に出演し、新型コロナウイルス対策として期待が高まるワクチン接種に向けて「情報システムがうまくいくのか、も非常に重要」と述べ、厚生労働省が開発したワクチン接種円滑化システム(V-SYS)の運用も課題の1つだと指摘した。ワクチン接種の現場では医師や看護師が多忙を極める中で、現場を担当する自治体の立場から「個々の医療機関を登録し、ワクチンを使った量や保管している量を(システムに)打ち込まないといけないが、これが本当にうまくいくのか」と慎重な見方を示した。

 システムや運用に不備があった場合は、順次改善する方針を政府が示している。ただ久元市長は「運用の改善は必要なんだと思うが、運用を変えると実際にかかわっている人たちが当惑することがないのか」と重ねて指摘。「もしも、そういうことがあるならば、しっかりとしたヘルプ・サポート(支援)体制を作っていただきたい」と述べ、システム面で現場を支援する仕組みづくりも求めた。

 続けて、国民全員に10万円を支給した昨年の特別定額給付金で、神戸市は最も早く給付ができた大都市の1つになった例を引き合いに、「皮肉なことにマイナンバーを早くあきらめた、郵送で受け付けることにしたから早くいけたという面がある」と説明。定額給付金では、国が自治体の事務軽減をねらって作ったシステムの不備で、かえって現場が混乱した経緯をふまえ「ああいったことがないよう、トラブルが生じないよう強くお願いしたい」と強調した。

 ワクチン接種が12日から高齢者施設で始まるのを控えては、「定額給付金の支給を基礎自治体がになったが、これを上回る大きな仕事として緊張感を持って対応したい」という。加えて「高齢者のみなさんがたくさん接種していただくかどうかで、その後の若年者の接種が順調にいくかも決まる」と指摘。集団接種会場を開設し、本格的に高齢者向け接種を始める「5月10日のスタートをたいへん重視している」と述べ、これに向けた情報発信や各方面の調整といった準備を進めていると示した。

 政府は6月末までに高齢者約3600万人が2回摂取できる量のワクチンを配送するとしているが、どの自治体にいつ何箱のワクチンが届くといった具体的なスケジュールは未定。摂取会場へのワクチン割り当てや予約受け付けなどの事務には「1カ月ほどかかる」ため、国による供給計画の提示について久元氏は「できるだけ早く。これは、すべての市町村長の願いだと思う」と語った。

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