日銀神戸支店、景気判断「持ち直し緩慢」上方修正 「厳しい状況に変わりない」

 日銀神戸支店が7日発表した管内金融経済概況では、兵庫県の景気判断について「引き続き厳しい状態にあり、持ち直しの動きは緩慢となっている」との見方を示した。前月まで3カ月続いた「持ち直しのペースが鈍化している」との見方から小幅ながら引き上げ、5カ月ぶりの上方修正になった。記者会見した長江敬支店長は、「企業の生産活動は着実に回復している」としながらも、需要動向などを勘案すると「前月まで続いていたスローダウンは止まったが、引き続き厳しい状況であるとの認識は変わらないと」説明した。

 個人消費はスーパーや家電販売が底堅く推移しているほか、乗用車の販売も持ち直している。半面、飲食や観光関連など対面型のサービス業では新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除された後もマイナスが続いている。全体としては持ち直しの動きが一服しているとみている。一方で生産は、鉱工業生産指数は依然として上昇基調にあるとの見方を示しており、日銀神戸支店は聞き取り調査などからも幅広い分野で回復がみて取れるという。ただ日本酒など外食の依存度が高い、食品の一角は弱い動きが続いた。

 雇用情勢については雇用調整助成金の活用や配置転換などで、既存の従業員の雇用を維持しようとする姿勢が継続しているとみている。企業倒産は過去最低レベルの水準で「落ち着いた状態」(長江支店長)だ。貸出金利が低い、新型コロナ対策の制度融資を活用する動きが広がっており、貸出残高は高水準。だが新規の貸し出しは徐々に一服感が出つつあるようだ。貸出約定平均金利は2月まで25カ月連続で低下した。県内企業の資金繰りは、全体として維持されていると判断している。
 
 今後について長江氏は「まん延防止等重点措置が実施されるもとで、持ち直しの動きはどうしても緩やかにならざるを得ない」と指摘。対面型サービス業を中心に厳しい状況がなお続きそうだ。新型コロナの経済への影響は引き続き「注視していく必要がある」。飲食や宿泊など対面型サービスは中小企業が多いうえ、雇用もパートやアルバイトといった非正規の比率が高いため、雇用への影響は特に注意しておく必要があると話していた。回復している製造業などに波及しないかなども含め、注意深くみていく方針だ。

 4月や5月は前年同月が新型コロナウイルスの感染が最初に拡大した「第一波」の時期に当たる。昨年は店舗の臨時休業が相次いだことなどもあり、前年同月比のデータに着目すれば、大幅に回復しているとの結果になる公算だ。長江氏は「特に地方経済を示す統計では『季節調整済み前月比』といったデータが少ないが、(新型コロナ拡大前の)2年前との対比や、生産については過去平均との比較などを使いながら、わかりやすく景気動向を説明したい」と話していた。

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