兵庫日銀短観、製造業DIは「コロナ前」回復 全産業DIが3期連続改善

20210401日銀短観3月調査

 日銀神戸支店が1日に発表した全国企業短期経済観測調査(短観、3月調査)の兵庫県分では、全産業の業況判断指数(DI)が前回調査から9ポイント改善のマイナス10だった。2020年12月調査で12ポイント改善したのに続き、大幅な改善になった。特に製造業DIは17ポイント回復のマイナス6と大幅な改善で、新型コロナウイルスの感染拡大前である19年12月調査のマイナス15を上回る水準。「コロナ前」を回復した。記者会見した長江敬支店長は兵庫県の景気が「厳しい中にあっても回復が続いている」との見方を示した。

 調査期間は2月25日〜3月31日。兵庫県内の328社が対象で、回答率は99.4%だった。業況判断DIは景気が「よい」と答えた企業の割合(%)から、「悪い」と答えた企業の割合(%)を差し引いて算出する。

 製造業を業種別にみると「鉄鋼」が18と、前回に比べて43ポイント改善。「ゴム製品」も40ポイント改善して20になった。前回調査で自動車が大幅に改善したのを受けて、車体の材料やタイヤといった自動車関連の景況感が改善したのがうかがえる。このほか電気機械も28ポイント改善の5と改善が目立ち、世界的な半導体需要の高まりも、製造業の景況感改善に寄与。これらがけん引して幅広い業種の改善につながった。

 非製造業では「情報通信」「対事業所サービス」「電気・ガス」などで改善が目立った。長江支店長は「システム投資案件の受注があったなど、主として製造業の回復に引きつけられる形での需要の増加を受けて、改善している」と指摘した。半面、「物品賃貸サービス」「宿泊・飲食サービス」「小売」などでは景況感が悪化。緊急事態宣言の影響を受けた業種が多く、非製造業全体のDIはマイナス14と1ポイントの改善にとどまった。

 業況判断DIの数カ月後を予想する「先行き」ついては全産業、製造業、非製造業のいずれでみても小幅に悪化する見通し。製造業が回復する起点になっている自動車の生産は、世界的な半導体不足で先行きを見通しづらくなっており、これがリスク要因と受け止められているもよう。新型コロナウイルスの感染再拡大に対する警戒感も根強いようだ。

 もっとも今回、初めて調査した2021年度の収益計画によると、全産業で売上高は20年度の実績見込みに比べ3.2%増、経常利益は43.4%増を見込む。製造業の経常利益は66.9%増と大幅な改善の見込みだ。そうした中で企業は事業拡大に向けた投資に積極的になっている。

 日銀神戸支店によると、2015年の水準を100としたとき、20年度のソフトウエア投資は実績見込みが138。これが21年度計画は167に跳ね上がる。21年度の研究開発投資の計画も、同じ方法で比較して133と高水準だ。利益の回復が見込まれる中で、製造業を中心に企業の積極的な経営姿勢が見て取れる。

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