神戸市長「市役所に行くのが嫌になったら」 六甲山上にROKKONOMAD開業
- 2021/03/29
- 01:18
自宅から市役所まで約20分。ROKKONOMAD(ロコノマド)までも20分。もし市役所に行くのが嫌やとなったら--。神戸市の久元喜造市長は、六甲山上のビジネス交流拠点として開設した「ROKKONOMAD」(神戸市灘区)が26日に開催した開業式典で、こんな「架空の1日」を語っていた。外部との電話やテレビ会議用に作られた小さなブースを指して「あそこに1日こもったら、かなりいろいろなことが考えられるのではないかな」と久元市長は話す。
ロコノマドは神戸市が進める「六甲山上スマートシティ構想」の一環で開設する、泊まれるシェア(共有)オフィスだ。以前は企業の保養所などに使われ、空き家だった物件を、仕事と休暇を組み合わせた「ワーケーション」にも利用できる施設に改修した。会員になると快適なネット環境と広い仕事机を、六甲山の森の中で、小鳥のさえずりなど聞きながら利用できるというわけだ。2〜4週間の滞在利用や、チーム形成のための合宿などにも対応する。
自慢は眼下に広がる神戸市街や大阪湾の眺望。ストレスのない静かな空間で仕事に没頭したあとは、大きく広がる景色で気分転換すれば、新たな展望も開けそう。さらに施設では、六甲山上に進出した企業や神戸在住のクリエーターなどとの交流行事も展開する計画だ。交流スペースや仕事机を設置した2階建ての本館に加え、5人で泊まれる簡易キッチン付きのコテージが2棟。宿泊の総定員は17人だ。
ロコノマドは「六甲」と「ノマド(遊牧民)」を合わせた造語で、当初は自由に場所を移動できるIT(情報技術)関連の起業家や、いわゆるノマドワーカーなどの利用を想定した。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて在宅勤務が普及した結果、ノマド化したサラリーマンからも問い合わせが相次いでいる。仕事机を月に4日利用できるプランが月額6000円。サラリーマンが自己負担できる金額というのも関心を集めた理由とみられる。
施設の運営は、いきいきライフ阪急阪神(大阪市北区)とLusie(神戸市中央区)で構成する「六甲山スマートシティ運営共同事業体」が担当する。会員になるには、事前に施設などを確認する見学会に参加する必要がある。運営会社では利用を希望する場合に、まず無料のメール登録をするよう呼びかけている。(写真は自慢の眺望を背景に記念撮影する関係者ら=26日、ROKKONOMAD本館のテラスで)
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