旧摩耶観光ホテル、国の登録有形文化財に 神戸市内は5件を答申・文化審議会
- 2021/03/22
- 00:03
1930年に完成し、現在は「廃虚」として人気の旧摩耶観光ホテル(神戸市灘区、写真=資料)が国の登録有形文化財として登録される。文化庁は、文化審議会が24府県の建造物132件を登録有形文化財にするよう萩生田光一文部科学相に答申したと19日に発表した。神戸市の建築物では旧摩耶観光ホテルを含む5件が新たに登録される。官報で告示する予定で、全国の登録有形文化財の建造物は1万3097件になる。このうち109件が神戸市内の建造物だ。
旧摩耶観光ホテルは摩耶山の中腹で、まやビューラインの摩耶ケーブルとロープウェーを乗り継ぐ「虹の駅」に近いに尾根ある。1930年(昭和5年)に当時の摩耶鋼索(まやこうさく)鉄道が建設した。戦時中に閉鎖され、戦後は1961年(昭和36年)に営業を再開。ただ接続する道路がなく、自動車で訪れることができないことなどもあり、1967年にホテルとしての営業を停止。所有者が変わり福利厚生施設などに使われたが、93年に閉鎖された。
阪神淡路大震災や台風被害では倒壊しなかったが、建物の損傷が著しいため、現在は周囲も含めて立ち入り禁止になっている。眺望がよく、もともと目立つ建造物だったうえ、廃墟をあつかう書籍にもたびたび登場したことで関心が高まり、映画のロケ地などにも使われた。2015年に現在の所有者と、近代化遺産の活用を促す非営利組織(NPO)、兵庫県が連携して保存運動が広がった。
このほか文化審議会は1926年(大正15年)に完成し、当初は有馬温泉の湯治客向けに販売した竹細工の工房・住宅・湯治客向けの貸間として使われた木造3階建ての「旧駿河屋」(神戸市北区)も有形文化財に登録するよう答申。さらに明治時代中期に御所坊川別荘として建てられた有馬温泉の旅館「御所坊本館」、1955年ごろに建てた「御所坊新館」、1980年に建てた「御所坊土蔵」の3棟も有形文化財として登録する。
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