日銀神戸支店、景気「持ち直し鈍化」据え置き 生産改善も飲食など一段と厳しく

 日銀神戸支店が5日発表した管内金融経済概況では、兵庫県の景気判断を据え置き「厳しい状態にあり、持ち直しのペースが鈍化している」との見方を3カ月連続で示した。新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて期緊急事態宣言が再び発令されたことなどもあり、昨年半ばから続いた個人消費の持ち直しが一服しつつあるとの見方を反映した。需要や生産の幅広い分野で、前月と同様の判断を示した。

 記者会見した日銀神戸支店の長江敬支店長は「製造業は内外需要の回復によって持ち直している」「生産については当面、持ち直しが続くのではないか」との見方を述べた。一方で「非製造業は耐久財、食料品、日用品など『財消費』が堅調である一方、飲食店など対面型サービス消費は緊急事態宣言の再発令などで一段と厳しい状況になっている」と指摘。一部の消費の冷え込みが景気全体に波及するか、注意深く見ておく必要があるという。

 1月末時点の貸出金残高は前年同月比3.7%増の15兆2066億円と、引き続き高い水準の伸びだった。新型コロナ関連融資の残高が増加したのが主因だ。貸し出しの増加に加え、倒産件数も目立った増加が見られないことから、「県内企業の資金繰りは、全体として引き続き維持されている」と判断している。1月末が休日で多めに現金を保持する企業が増えたこともあり、1月末の預金残高は8.6%増の35兆5388億円。伸び率は統計をさかのぼることができる2000年以降で最高になった。

 2月末にかけては新発10年物国債利回りが0.18%台と、長期金利は約5年ぶりの高水準に上昇した。だが長江氏は「住宅ローン金利の上昇が住宅投資に影響したといった声は、特に聞かれない」と説明。「市場金利は足元で上昇したとはいえ水準は十分に低く、雇用や生産などの動向がより経済への影響が大きい」との見方を示していた。

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