神戸製鋼、取締役3人削減で「非業務執行」過半数に 執行と監督の分離強化
- 2021/03/05
- 20:03
神戸製鋼所は5日、取締役を3人削減して13人の体制にすると発表した。素材系、機械系、電力の各事業のトップを取締役とせず、取締役会の役割を経営全体の方向性決定と、リスクマネジメントを含む監督機能により重点を置く体制にする。6月の株主総会で、現在代表権を持つ水口誠氏と森崎計人氏に加え、北川二朗氏の3人が取締役から外れ、水口氏と森崎氏は副社長執行役員に、北川氏は執行役員にそれぞれ就く。この結果、取締役13人のうち直接事業に携わらない「非業務執行」の取締役が監査等委員を含めると過半数になる。(写真は神戸市灘区の神戸製鋼所本社=資料)
同社は経営の屋台骨を支える「経営基盤領域」と、成長期待が大きく将来のけん引役候補である「価値創造領域」とに分けて、それぞれに合った経営手法を導入することで持続的な成長をめざす。今回の経営体制の変更は、特に経営基盤領域である素材系、機械系、電力の経営監視機能を強化する。2017年に発覚した長年にわたる品質検査データの改ざん問題での教訓を引き継ぐのに加え、法令順守や企業倫理のほか温暖化ガス排出抑制など、新たな社会的な責任が企業に求められていることにも経営面から対応する方針だ。
取締役会の機能見直しとともに、執行役員の体制も改める。専務、常務といった役位を廃止し、柔軟で機動的に人材に配置できるようにする。これまでは役位で報酬を決めていたが、役割や職責に応じて報酬を決める。そのうえで本社部門も19部1室から13部2室にスリム化。会社全体の戦略を推進するのと同時に、リスク管理体制を強化。類似機能を統合したり、事業部門に一部の機能を移管するなどで、全体として企業統治(ガバナンス)機能を高める。
そのうえで事業戦略を具体化するための部署も開設する。デジタル技術の導入で事業を効率化するDX(デジタル・トランスフォーメーション)の全社導入を加速する「デジタルイノベーション技術センター」を技術開発本部に設置。事業部門の支援体制を強化する。電動化や自動運転など「CASE」と呼ばれる自動車の技術革新や、次世代移動サービス「MaaS(マース)」への対応は鉄鋼アルミ事業部門の「自動車事業企画室」が全社プロジェクトを担う。本社の「事業開発部」設置と各事業部門内の専門部署設置で、新規事業への取り組みを全社に広げる。
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