新型コロナ、感染力強い「英国型」比率が上昇傾向 神戸市が変異株を独自調査
- 2021/03/02
- 03:35
神戸市は1日、同市で確認した新型コロナウイルスの新規感染者を調べたところ、強い感染力が懸念される変異株「英国型」の比率が高まりつつあることを示す結果が出たと発表した。2月18日までに神戸市で確認した「英国型」は31例。ワクチンの効き目が低下する可能性が指摘された「南アフリカ型」「ブラジル型」の変異株は見つからなかった。一方で、染色体の一部に南ア型やブラジル型と同様の変異が見られる、起源不明の新たな変異株5例も見つかった。
国立感染症研究所は変異株の探知を目的に、全陽性者数のうち5〜10%の検体をめどに変異株かどうかを確認するための、通常とは別のPCR検査を追加で実施するよう保健所に求めていた。ただ神戸市は変異株の早期探知を目的に、監視体制を独自で整備。全陽性者の検体のうち約6割を、変異株か調べるPCR検査にも回している。この結果、1月28日検査分までは見当たらなかった「英国型」の感染者は2月以降、全体が徐々に減少する中で比率を高めていることがわかった(表)。
記者会見した神戸市の久元喜造市長(写真)は、「変異株の拡大にどのように対応するかは、国立感染症研究所を中心として国に提示していただきたいと思っている」としながらも、「現時点では、変異株に対しても従来通りの感染対策が有効という見方が専門家の大勢」と説明。引き続きマスク着用や、他人との物理的距離の確保などの重要性を指摘した。そのうえで「変異株の状況を引き続きしっかりと調べていく」との方針を強調した。
神戸市は同日、新型コロナウイルス対策本部の会議を開催。3月14日にワクチンの集団接種会場で高齢者向け優先接種に向けたシミュレーション(予行演習)を実施することなどを確認した。緊急事態宣言は1日に解除されたが、変異株の拡大などもあって引き続き住民に対する注意喚起を続けることも、関係部署に周知した。新型コロナの対策本部から、警戒本部への「格下げ」は見送った。
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