川重、水素事業の推進体制を強化 「船舶」と「エネルギー・環境」カンパニー再編

20191117液化水素運搬船

 川崎重工業は27日、社内カンパニーである船舶海洋カンパニーとエネルギー・環境プラントカンパニーを統合することなどを柱にした4月1日付の組織改正を発表した。統合した新カンパニーの名称は「エネルギーソリューション&マリンカンパニー」。同カンパニー内に水素事業推進室を置く。このほか本社にも水素戦略本部を新設。使用時に温暖化ガスを排出せず、次世代エネルギーの有力候補とされる水素を巡り、事業推進の体制を強化する。

 これまで水素に関連する事業は、貯蔵タンクをエネルギー・環境プラントカンパニーの播磨工場(播磨町)で製造する一方、液化水素運搬船は船舶海洋カンパニーの神戸工場(神戸市中央区)で建造するといった形で、複数のカンパニーにまたがっていた。だが21年内には、オーストラリアから超低温の液化水素を神戸市の輸入拠点まで運搬し、水素供給網(サプライチェーン)を構築する実証事業も始まる計画。実用化に向けた動きが強まる中、より円滑な水素事業の運営をめざす。

 川重のエネルギー関連事業は、発電に使用するガスタービンエンジのほか、蒸気タービンを組み合わせた高効率の複合サイクル(コンバインドサイクル)発電のプラントや機器を製造してきた。改めてエネルギー関連事業の柱の1つとして水素を位置付けた形だ。神戸、坂出(香川県坂出市)と国内に2カ所ある造船工場など造船部門は、エネルギーソリューション&マリンカンパニー内に設置する「船舶海洋ディビジョン」が主に担当する。(写真は液化水素運搬船の完成予想図=川重提供)

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