川重、今期最終赤字250億円に上方修正 北米でオートバイの回復顕著で

20210204川重決算修正

 川崎重工業は4日、2021年3月期の連結最終損益が250億円の赤字(前期は186億円の黒字)になりそうだと発表した。従来予想である270億円の赤字から上方修正し、赤字幅が縮小する。モーターサイクル(オートバイ)&エンジン事業で北米での販売が想定を上回る伸びで、コスト削減も進んだ。建機市場向け油圧機器の販売見通しを引き上げたことなども寄与する。営業利益も100億円の赤字(前期は620億円の黒字)見通しと、従来予想である200億円の赤字から見直した。

 一方で、売上高は前期比9%減の1兆5000億円になる見通しを据え置いた。事業分野(セグメント)別でみて「モーターサイクル&エンジン」と、油圧機器を含む「精密機器・ロボット」の売上高は従来予想から引き上げたが、鉄道の「車両」が従来想定を下回る見込みになった。新型コロナウイルスの感染拡大による工事の遅れなどを背景に、米国向け鉄道車両の売上高計上が遅れる。車両事業は新型コロナの影響による採算悪化も今回予想に織り込んだ。

 業績予想の前提は1ドル=104円、1ユーロ=123円とした。従来予想では、それぞれ106円、123円としていた。1ドルあたり1円の円高が進めば営業利益は6億9000万円、1ユーロあたり1円の円高で営業利益は1億円、それぞれ押し下げられる見込みとしている。02年3月期以来19期ぶりの無配とする配当計画は維持した。

20210204川重セグメント

 同時に発表した2020年4〜12月期の連結決算は、最終損益が139億円の赤字(前年同期は47億円の黒字)になった。需要が後退している航空宇宙システムやかねて不採算の船舶海洋などの赤字計上が響いた。坂出工場の減損損失を特別損失に計上したほか、繰り延べ税金資産を一部取り崩したのも響いた。ただ、10〜12月でみると132億円の黒字(前年同期は84億円の黒字)と、収益が大幅に伸びた計算だ。「モーターサイクル&エンジン」「精密機器・ロボット」の寄与に加え、「エネルギー・環境プラント」の採算改善も寄与した。

 売上高は前年同期比9%減の1兆324億円、営業損益は37億円の赤字(前年同期は309億円の黒字)になった。

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