ワールド、今期最終赤字175億円に下方修正 19年1〜3月比で44%減を想定
- 2021/02/04
- 00:19

ワールドは3日、2021年3月期の連結最終損益(国際会計基準)が175億円の赤字(前期は80億円の黒字)になりそうだと発表した。従来予想である60億円の赤字から下方修正し、赤字幅が拡大する。新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、1月に入って11都府県に緊急事態宣言が再発令。足元の販売動向が一層厳しい状況になっていることから、1〜3月期の見通しをさらに保守的に見積もる。追加構造改革の費用を76億円計上するのも響く。同社の最終赤字は13年の国際会計基準の導入後では初めて。阪神淡路大震災があった1995年3月期以来26年ぶりだ。
売上高に相当する売上収益は前期比25%減の1780億円、営業損益は222億円の赤字(前期は123億円の黒字)を見込む。従来予想は1992億円、67億円の赤字だった。足元の収益悪化を受けて1〜3月期の収益予想の前提は、既存店売上高でみてコロナ前の1〜3月期である19年1〜3月期に対して約44%減での推移とした。
追加の構造改革費用は退店に伴う固定資産除却損(違約金や再配置できない店舗人員の再就職支援などを含む)が約39億円、のれんの減損損失が約15億円、商品の廃棄損が約16億円になる見通し。希望退職者を募集することで、特別加算金を約6億円計上することも予定する。構造改革費用は可能な限り今期に計上し、来期のV字回復をめざしたい考えだ。
今期の赤字幅が拡大したことで、配当も見送る。従来は期末に59円(中間なし)と、年間で6円の増配を予定していた。同社の無配は18年3月期以来3期ぶり。18年9月の再上場以来で初めてだ。
同時に発表した2020年4〜9月期の連結決算は、最終損益が78億円の赤字(前年同期は118億円の黒字)だった。来店客数の回復などで10〜12月でみると32億円の黒字を確保した。だが4〜6月期を中心とした店舗の臨時休業などによる影響が大きかった。売上収益は前年同期比27%減の1328億円、営業利益は96億円の赤字(前年同期は169億円の黒字)だった。
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