アジュバン、売上高100億円の目標取り下げ 松井社長辞任で中村会長が兼務

20210122アジュバン中村氏

 ヘアケア・スキンケア製品を製造販売するアジュバンコスメジャパンは22日、2023年3月期の売上高を100億円、営業利益20億円などの目標を掲げた中期経営計画を取り下げると発表した。20年10月に発売したヘアケア分野の新製品「KASUI(カスイ)」が想定通り伸びなかったためだ。理化学研究所などとの共同開発で期待が大きかった「大型」の新製品を、新型コロナウイルスの逆風が直撃。新たな中期計画を練り直し、販売体制を立て直す。松井健二社長(56)は22日に辞任。後任として創業者の中村豊会長(74、写真=アジュバンコスメジャパン提供)が社長を兼務する。

 「KASUI」は育毛ケア商品。2015年から取り組んだ理化学研究所との共同研究の成果だ。理化学研究所などと共同で、育毛効果が確認できる有効成分を発見したと19年に特許を出願した。期待が膨らむ中での商品化で、スタートダッシュが売上高100億円に向けた弾みになるはずだった。だが、新型コロナの感染拡大を受けて、通常ならホテルなどに会場を借りて開催する新商品の説明会は、すべて動画に切り替えざるを得ず、結果としてスタートダッシュが決められなかった。今後、徐々に製品が浸透しても、中期計画期間の残り2年で遅れを取り戻せないと判断した。

 緊急事態宣言の影響で出勤を抑制する必要もあり、担当者が直接サロンを訪れる営業ができなくなったのも逆風。既存のヘアケア製品、スキンケア製品も伸び悩んだ。特にスキンケア製品は、20年10〜12月の売上高が下期(20年10月〜21年3月)の計画に対して39.4%と苦戦。既存製品の販売について、21年1〜3月期の想定も引き下げた。一連の責任を取る形で、松井社長は辞任を申し出たという。22日付で役職の付かない取締役に降格した。香港現地法人の社長は松井氏が継続する。

 後任の社長は、田中順子専務(70)とともに、同社の前身である「みずふれんど」を1990年に設立し、91年から2016年まで社長を務めた中村豊会長が兼務する。経営体制も見直し、持ち株会社制を取り入れてコーポレートガバナンスを強化する。現在の監査役会設置会社から、監査等委員会設置会社に移行して、社外取締役の比率を高めるなど、取締役会の監督機能も強化。上場株式は持ち株会社が引き継ぐ予定だが、新たな会社名などは今後決める方針としている。

 中村 豊氏(なかむら・ゆたか) 1991年アクト企画(現アジュバンコスメジャパン)社長、16年に会長。兵庫県出身。

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