「涙で乳がん検出」クラウドファンディングで研究費調達 神戸大学

 神戸大学は20日、涙を使って乳がんを検出する新技術「TearExo法」について、臨床研究のための資金をクラウドファンディングで調達すると発表した。新技術は、がんの新たなバイオマーカー(病状の指標になる物質)として期待されている「エクソソーム」を高感度で検出。現在主流の乳がん検査であるマンモグラフィー検診を受診する前に、自宅でも手軽にできる検査として2022年度の実用化をめざす。

 工学研究科の竹内俊文教授がリーダーを務め、細胞が分泌する100ナノメートル(ナノは10億分の1)程度の小さな粒状の物質であるエクソソームを涙から高感度で検出する技術を開発した。受診者は、ろ紙を使って自宅で涙を採取し、検査センターに郵送する手順を想定。センターで自動分析装置にセットすれば、短時間で結果が判明する。22年度には体外診断薬として厚労省に承認申請する計画だ。

 今年度から臨床研究を実施している。結果は100例以上が必要になるとみており、費用は3年間で4000万〜5000万円を見込む。クラウドファンディングでは1000万円を目標に調達。20日から募集を開始した。寄付が目標額を上回った場合にだけ資金を受け取れる方式にした。すでに事業モデルのコンテストで高い評価を得ているが「資金が集まらなければ世の中に必要とされていない技術」(竹内教授)と覚悟を決めた。

 クラウドファンディングのサイトは、READYFOR(レディーフォー)を使用する。神戸大学とREADYFORは、研究費の調達などで業務提携を結んだことも同時に発表。「涙で乳がん検出」は業務提携での第1号になった。READYFORが大学と業務提携を結ぶのは、今回の神戸大学で27校目。

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