川重、世界最大級の液化水素貯蔵タンクを設計 企業に提案へ

20210101水素タンク

 川崎重工業は、液化水素を1万立方メートル貯蔵できる世界最大級の球形タンクの基本設計ができたと発表した。摂氏マイナス253度の極低温で体積を800分の1にした液化水素を、大量に、長期間、安定的に貯蔵することができる。発電や燃料電池車(FCV)の燃料として水素の利用は普及が見込まれている。川重は使われる水素が増えるのにあわせて、産業ガス会社や電力・ガス会社などに保存のための大型タンクを提案する方針だ。

 川重に岩谷産業、シェルジャパン、Jパワー、丸紅、ENEOS、川崎汽船の7社で構成する「CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)」は3月までに、水素の供給網(サプライチェーン)構築に向けた実証実験を始める。オーストラリアで褐炭(かったん)と呼ばれる不純物を多く含む石炭かなどから水素を製造。液化した水素を長距離で海上輸送し、神戸空港島に建設した輸入基地で陸に上げる予定だ。実用化は2030年ごろを見込む。

 神戸空港島の輸入拠点に設置した球形タンクは国内最大で、2250立方メートルの液化水素を貯蔵することができる。今回設計したのは1万立方メートル(約710トン)と、神戸空港島のタンクに比べて約4.4倍の水素を貯蔵する。外側の直径はおよそ30メートルになるという。タンクは二重構造で、外側の層と内側の層の間を真空にして熱が伝わらないようにする。タンクが大きくなると内側のタンクをどう支えるかなどに技術が必要だ。

 川重は1980年代に宇宙開発事業団(現在の宇宙航空研究開発機構=JAXA)の種子島宇宙センター向けに540立方メートルの液化水素を貯蔵できるタンクを納入した。水素はロケットの燃料に使う。神戸空港島の施設も、80年代からの経験が製品の設計・開発に生かされた。水素は2030年頃には年間約30万トンが利用されるとの見通しもある。川重が蓄積した水素をあつかう技術で、利用時にCO2を排出しない新たなエネルギーの普及をめざす。

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