7〜9月期の兵庫県GDPは2.3%増 反動増で大幅プラス、物流回復など映す

20201228兵庫県GDP

 兵庫県が28日に発表した2020年7〜9月期の県内総生産(GDP、季節調整済み)は、物価変動の影響を除く実質(2011年基準)が20年4〜6月期との比較で2.3%増加した。年率換算では9.4%増。5四半期ぶりのプラス成長で、4〜6月期に大きく落ち込んだ反動でプラス幅が大きくなった。新型コロナウイルス感染症の第1波がいったん収束し、経済活動の再開を受けた物流の回復などが寄与した。個人消費の回復も支えになった。ただ、兵庫県は季節調整の影響で、今後大幅な修正が入る可能性があるとして、今回の4〜6月期との比較値(前期比)は「参考値」とした。

 参考値ながら支出の項目別に見ると、構成比が全体の62%を占める民間最終消費支出(主に個人消費)が1.1%増と6期ぶりに前期比プラスに転じたのが支えになった。加えて、GDPの伸びに最も寄与度が大きかったのは、兵庫県外への移動や輸出を示す「純移出等」といった外需だ。兵庫県内で生み出された付加価値を県外や海外を運び出す、物流機能の回復を示すといえる。国内では新型コロナの緊急事態宣言が取り下げられるなど国内外の感染がやや収束したことで、経済活動の再開による需要の回復を反映した。

 生活実感に近いとされる、物価変動を考慮しない名目GDPは5兆2024億円と、19年7〜9期に比べ0.9%減少した。4四半期連続で前年同期を下回った。

 兵庫県によると、大きな経済変動があった場合は、季節調整の影響が正しく反映されない場合が多いという。今回は緊急事態宣言によって落ち込んだ反動が大きく、不正確な影響になる可能性が残る。一定の時間をかけると、推計に取り込む経済指標が増えることなどで影響は収束するが、今回はひとまず参考値として発表した。4〜6月期GDPは、新型コロナの影響を正確に反映するためとして発表を延期した経緯もあった。

 内閣府が8日発表した日本全体の7〜9月期の実質国内総生産(GDP)成長率の確報値は、実質で前期比5.3%増だった。速報値(5.0%増)から上方修正された。4四半期ぶりのプラス成長だった。

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