「海上貨物で密輸が増える懸念」 神戸税関で「年末特別警戒」の出陣式



 神戸税関では8日、同日から始まる年末特別警戒の出陣式を開催した。神戸税関本関庁舎(神戸市中央区)の中庭に、警戒に当たる職員のうち約50人が整列。麻薬探知犬3頭も参加した。佐藤正之税関長は「税関の持つ情報や検査機器を最大限活用のうえ、テロ関連物資、不正薬物、銃器および金地金などの密輸を阻止するという強い意気込みで取り組んでいただきたい」と訓示した。終了後は「出動」の掛け声を合図に、班ごとに駆け足で出動し、それぞれの配置に着いた。

 神戸税関によると、このところ不正薬物の押収が高水準で推移しているという。2019年の押収量は全国で初めて3トンを超えた。覚醒剤の押収量は19年まで4年連続で1トンを超えている。神戸税関でも昨年、コカインが約400キログラムと、1回の押収量としては最多を記録した密輸入を摘発した。こうした背景もあって貨物の量が増える年末を機会ととらえ、年末特別警戒を実施。検査担当者の要員を増やし、検査の回数を増やすなど多様な手法で密輸の対策を強化する。

 出陣式後に佐藤税関長は報道機関の取材に応じ、「新型コロナウイルスの影響で(航空便での)国際線の旅客が減っていることから、海上貨物や洋上取引で密輸が増える懸念がある」と指摘。神戸港を中心に港湾を多く担当する神戸税関として「気を引き締めて取り締まりに当たりたい」と語った。職員らも手洗いやマスク、機材の消毒といった新型コロナ対策を取り入れるが、佐藤氏は「感染対策を実施しながらも、取り締まりのレベルは落とさないノウハウはできている」と強調していた。

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