カルナバイオ、今期最終赤字12億円に上方修正 臨床試験の開始遅れ費用減

 創薬ベンチャーのカルナバイオサイエンスは8日、2020年12月期の連結最終損益が12億円の赤字(前期は8億2800万円の黒字)になりそうだと発表した。従来予想である18億円の赤字から上方修正し、赤字幅が縮小する見通しになった。新型コロナウイルスの影響で、関節リウマチなど炎症性免疫疾患の治療薬として開発を進めている薬剤「AS-0871」の第1相臨床試験(治験)の開始が、当初予定の1〜3月期から8月に遅れたため。今期に投入する治験費用が、当初の見込みより減少するのが主因。

 売上高は前期比66%減の11億円、営業損益は11億円の赤字(前期は9億7700万円の黒字)を見込む。従来予想は10億円、17億円の赤字だった。売上高は、3月に中国のバイオノバ・ファーマシューティカルズ(中国・上海市)との間で血液がんを標的とする医薬品候補についてライセンス契約を結んだことに伴う一時金を受け取ったのを織り込む。創薬事業に5300万円を計上。一方で創薬支援事業は利益率が高い自社製品が好調で、期初の販売計画を上回る業績になる。

 カルナバイオは2月7日に発表した中期経営計画で記載した20年12月期の業績予想も修正すると発表した。ただ、開発中の医薬品について、大手に導出(ライセンセス供与)をめざすなどとした創薬事業の基本方針や、北米・アジアを中心とした自社開発品とサービスの販売増などを目標に掲げた創薬支援事業の基本方針に変更はないとしている。

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