井戸兵庫知事、特別自治市の制度化けん制 「政令市が県から外れること課題ある」

20201204井戸兵庫知事

 兵庫県の井戸敏三知事(写真中=兵庫県議会が配信した動画より)は4日の県議会本会議で、「政令指定都市が制度として県の区域から外れることには課題がある」との見解を述べ、政令市20市の市長で構成する指定都市市長会が「特別自治市」の制度化を求める動きを強化したことをけん制した。特別自治市は、道府県と政令市で重複する事務を政令市側に寄せて2重行政を解決をめざす方式。実質的には政令市が道府県から独立する形になる。指定都市市長会は11月に専門のプロジェクトチームを編成すると発表し、久元喜造神戸市長がプロジェクトリーダーを務める。

 道府県と政令市の2重行政に関する議論については、「政令市は基本的に県の事務のうち社会福祉、社会資本整備を中心に分担するという事務を請け負っており、その限りで2重行政が生じる余地はない」と指摘。そのうえで「産業や文化などの分野では重なることが考えられるが、兵庫県と神戸市との間では大きな重複は生じていない」との認識を示した。さらに「県が神戸市とともに必要な施策、たとえば神戸医療産業都市の推進、北神急行の市営化、神戸空港の活性化などへ協力して取り組んでいるし、新長田合同庁舎で税や公営住宅部門の連携による行政サービスの向上を実現した」と強調した。

 一方で特別自治市の制度を導入すると、「今般の新型コロナウイルス感染症への対応や、南海トラフ地震など大規模災害への対応など、広域的な課題に対して市町域を越えた事務執行や、市町間の連絡調整体制の構築が円滑に確保できるかどうか課題が多いと考えている」と語った。加えて「現在の県税を含め、区域内のすべての地方税が特別自治市の収入となる可能性があり」、周辺市町で県による住民サービスが低下する可能性があるとも指摘。こうした懸念から、県の事務も一元的に担当する「特別市」制度が戦後創設されて使われないまま1956年に廃止になり、現在の政令市の制度につながった経緯があるとも改めて説明した。

 今後の神戸市との関係については「知事・市長等で構成する『兵庫県・神戸市調整会議』をはじめ、十分な連携を図ることで新たな行政課題に対しても、県市協調で取り組んでいく」との方針を述べた。井戸氏は本会議での代表質問で、水田裕一郎県議(自民)の質問に答弁した。

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