兵庫県は約9万人が利用できる在宅勤務(テレワーク)のシステム基盤「テレワーク兵庫」を整備した。職場と自宅のパソコンに専用接続ソフトを導入することで、自宅から簡単・安全に職場のパソコンに接続できるシステムだ。兵庫県庁と県内市町に加え、民間の中小企業の利用を想定。兵庫県の職員およそ7000人を対象に、試験運用が24日から始まった。民間には約3年間、無償での利用を認めることでテレワークの定着につなげる。
認証システムと暗号化通信で、インターネット回線でも自宅と職場のパソコンを高い安全性で接続。職場パソコンのデスクトップを自宅で再現し、職場と同じ環境で仕事ができるようになる。中小企業のテレワーク普及率が相対的に低い背景に、新たなシステム導入に向けた資金の手当てに加え、導入したシステムの保守や運用への負担がある。「テレワーク兵庫」によって、こうした導入へのハードルを下げるのがねらい。
12月ごろから、システムを利用する市町や中小企業の募集を始めたい考えだ。足元で新型コロナウイルスの感染者数が増えており、兵庫県でも職場での感染防止のためテレワークの活用を求めたことにも対応する。兵庫県庁でも従来の在宅勤務システムでは、自宅などから同時に職場へ接続できる人数が600人に限られていたため、より在宅勤務が使いやすくなる。子育てや介護を抱える職員らも柔軟に利用する、働き方改革にも寄与する見通しだ。
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