家次シスメックス会長「いかにわれわれが市場を広げるか」 メディカロイド発表会で

20201119発表会

 シスメックスの家次恒会長兼社長は18日に開いた、同社と川崎重工業の共同出資会社メディカロイド(神戸市中央区)が開発した国産初の手術支援ロボット「ヒノトリ」の製品発表会(1枚目の写真=メディカロイドが配信した動画より)で、米メーカーの既存品に対する優位性について問われ「マーケットシェアがどうだというよりも、マーケットをわれわれがうまく大きくできるか、その中でのある意味のシェア争いはあるかもしれない」と述べ、手術支援ロボットの普及に対する期待を語った。

 先行する米インテュイティブサージカル社の「ダビンチ」が普及している市場が「先進国中心」と家次氏は指摘。今後は「マーケットの広がりがある」と、新興国などへの導入を見越す。さらに「これから術種(可能な手術の種類)がどんどん増えてくると、1台ではとても足らん、場合によっては何台もという話になってくる」と述べ、病院1カ所での複数台導入の可能性も出てくるとの見通しを示した。

 シスメックスはヒノトリの総代理店として、世界の医療機関にヒノトリを売り込む計画だ。だが、販売価格については今回の説明では明確にしなかった。販売に向けては、手術ごとに料金を徴収する方法など、さまざまな導入しやすいプランを立てて先行するダヴィンチを追いかける方針。「初期コストだけ(の比較)でどうこう言われたくない」(メディカロイドの浅野薫社長)というのが、同社の販売戦略だ。

 6月までメディカロイド社長だった、川重の橋本康彦社長はヒノトリの優位性について「遠隔での治療をもともと意識している」点を強調した。今後普及が期待される遠隔医療に対応しやすいという、後発の製品として分かりやすいメリットだ。加えて、従来の手術室のサイズに収まるコンパクトな大きさである点も強みと話す。

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手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」(メディカロイド提供)

 さらに橋本社長は「先生方の声をクイックに製品に反映していくという、産業用ロボットで鍛えられたメンタリティ(精神)を医療の世界にも広げていこうということ」とも話す。「メカとしては冗長度を入れて、いろんなものに対応しやすく、ソフトの(バージョンを)上げていくことでお客さんのニーズに答えやすい基本設計を選んでいる」と話し、顧客密着度の高さが競争力につながると説明した。

 ヒノトリは8月に泌尿器科領域で手術支援ロボットとして製造販売承認、9月に保険適用を受けた。今後は消化器外科や婦人科、呼吸器科の分野へと利用できる領域を拡大すると同時に、海外販売できる体制整備も進める。同時に手術のデータベース蓄積なども進める計画だ。メディカロイドとしての売上高は2030年に1000億円をめざす。メディカロイドはシスメックスと川重が折半出資。両社ともメディカロイドを持ち分法適用会社にしている。

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