「我が国のスパコン政策は正しかった」 理研の松岡計算科学研究センター長

20201117松岡聡氏

 理研の松岡聡・計算科学研究センター長(写真=資料)は17日、スーパーコンピューター富岳が4つの性能ランキングで2回連続で世界首位を獲得したことについて記者会見した。新型コロナウイルスの感染対策や治療薬探索などについて、開発中でありながら成果を上げ始めていることについては、「ある意味で我が国のスーパーコンピューターに対する政策は、非常に正しかったといえる」と指摘した。富岳で使えるアプリケーションの開発が容易であるように富岳を設計したうえ、「アプリケーションの研究開発を行う(補助金などの)プログラムが同時に動いた」のが奏功したと説明した。

 松岡センター長は、富岳を使った新型コロナに関する研究の例として、テレビなどでも多く取り上げられた飛沫のシミュレーションを挙げて説明。同研究は「自動車エンジンの中で起きている燃料噴射と、せきやクシャミはほとんど物理が同じであることに、ある時に気づいた」のが発端という。アプリケーション開発のプログラムがあったため、「それに気づいたときに、アプリケーションがレディ(準備完了)になっていた」という。それが「今回の危機に、すぐ対処ができた理由の1つ」と語った。

 松岡氏は富岳の今後について、「これから実運用に入って、いかに実際の成果を出していくかということと、富岳のテクノロジーがIT(情報技術)としていかに普及していくか、という2つの側面が大事だと思っている」との認識を述べた。その観点でランキングの首位獲得は「どうすれば速く使えるか、または富岳の限界は何かといった点で大きなフィードバック(教訓)をもたらす」との見方を示した。

 さらに松岡氏は、そうしたフィードバックが「次にみなさんを驚かすような成果を生むようなマシンにもつながるし、そうしたマシンによって国民のみなさまの生活が豊かになって安心・安全確保できる、といったマシン作りをして、産業育成が目指せればいいと思う」と話していた。

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