兵庫県「景気の山」を19年5月に暫定設定 戦後最長の景気拡大に

20201116景気動向指数

 兵庫県は16日、10月9日に開催した兵庫県景気動向懇話会の議事要旨をホームページ上に公表し、2019年5月を「景気の山」に暫定設定した経緯を明らかにした。前回の景気の谷である13年2月から今回の山まで、景気の拡大期は6年3カ月と戦後最長になった。これまでの最長は、いわゆる「いざなみ景気」で07年7月までの5年7カ月間だったが、これを上回る長期間になった。

 兵庫県の景気動向懇話会には小沢康英・神戸女子大学文学部教授ら5人の有識者が出席。事務局案として兵庫県が提示した19年5月を景気の山とする案を了承した。現在の景気循環は戦後第16番目。東日本大震災などの影響が落ち着いた13年初めから景気の拡大が続いていたが、中国経済の変調など海外経済の減速や後退を背景に、兵庫県の景気の拡大が止まった。

 景気の拡大や後退は、景気動向指数で判断する。毎月兵庫県が発表している景気動向指数(DI)を、12カ月移動平均を軸とする統計処理のルール「ブライ・ボッシャン法」を使ってヒストリカルDIと呼ばれる指数を作成。ヒストリカルDIが50の節目を下から上に抜ければ景気の谷つまり拡大期入り、上から下に抜ければ景気の山つまり景気後退期に入る。ヒストリカルDIは昨年5月以降、50を下回って推移している。

 政府が暫定認定した景気の山である18年10月に比べ、兵庫県は7カ月遅れた。ただ、鉱工業生産指数などをみると、兵庫県が優位性を持つ化学や輸送機械工業といった製造業が景気を支えていた。このため、7カ月と比較的大きなズレでも合理的と判断した。加えて、2014年の小さな山は景気総合指数(CI)や兵庫県の経済成長率などから「景気の踊り場」とみて、16年前半までの間を景気後退期とは認めない方向でも一致した。

 政府が16日に発表した7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率31.4%増と4期ぶりのプラス成長。企業の設備投資は減少が続くなど、本格的な経済の成長軌道に乗るかは微妙だが、4〜6月期が景気の谷になる可能性は高い。兵庫県はブライ・ボッシャン法を適用するデータがそろう春ごろにも再び景気動向懇話会を開催し、「景気の谷」の認定に向けて検討するとみられる。

 兵庫県は10月30日に発表した8月の景気動向指数の発表資料の中でも、10月9日に開催した兵庫県景気動向懇話会を開き、19年5月を「景気の山」に暫定設定したことを示していた。

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