臨場感ある避難訓練、想定被害をスマホにリアルタイム通知 JAPAXが実証実験

20201115総合防災訓練

 15日午前に開催した「港島地区総合防災訓練2020」では、津波からの避難を訓練するうえで被害の想定をリアルタイムで共有する「スマート避難訓練」の実証実験を実施した。参加者らが住む地域が津波で浸水していく様子を、スマートフォン(スマホ)上に表示した地図のうえに表示。参加者はじわじわと浸水した場所の色が変わっていく臨場感のある地図をみながら、被害を避けて避難場所になった人工島ポートアイランド(神戸市中央区)の中公園まで避難する。

 先進的な技術を活用して社会課題を解決する「BE Smart KOBE」プロジェクトの一環で実施した。スマート避難訓練は、建設コンサルタントで測量技術などを持つジャパックス(JAPAX、神戸市東灘区)が開発。参加者は事前に配布したQRコードをスマホで読み取り、専用サイトに接続。同サイトに表示するホームページを見ながら避難する。「スマート避難訓練を開始します」「神戸国際展示場が水没しました」「第2波が到達しました」といった通知も随時表示した(写真)。訓練終了後には神戸市が作成したハザードマップへのリンクを表示し、住民の防災意識が高まった場面でさらに知識を得やすくした。

 イッツ・エムエムシー(大阪市北区)が開発した空間データ基盤技術「Cube Earth(キューブアース)」を活用した。避難訓練に応用したツールとしては今回が初の実証実験。それもあってか訓練開始を予定した午前9時半に機材トラブルが発生し、やや遅れて被害の進行状況を表示することになった。トラブルにも関わらず参加した住民の関心は高く、JAPAXの担当者らに詳しい地図を表示する方法を聞いたり、避難経路を表示してほしいといったリクエストをしたりといった姿も見られた。

 同社の大塚光二社長は、神戸経済ニュースの取材に「将来は被害の通報を反映して、実際の避難に使えるところまで持っていきたい」と話していた。国内の自治体が作成したすべてのハザードマップをキューブアース上に取り込むことをめざす。今回はスマホのブラウザに地図を表示したが、まずはアプリ化を検討。さらに道路が寸断されたり、破損したりする可能性を考慮すると避難経路の表示は難しそうだが、災害のひどい方向に向かわないよう、逃げる方向を示す矢印の表示は準備中という。

 港島地区総合防災訓練2020では同時に、日本コンピューターネット(大阪市北区)がドローン(小型無人機)から音声で避難誘導する実証実験も実施した。30メートルほど上空から、通常の防災スピーカーと同程度の指向性を持つスピーカーで訓練開始を呼びかけた。参加者らはドローンの合図で広場に集合するなど、呼びかけの音声がはっきり聞き取れたのが確認できた。

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