神戸製鋼、今期最終赤字150億円に上方修正 自動車向けの回復が想定上回る

20201106神戸製鋼決算

 神戸製鋼所は5日、2021年3月期の連結最終損益が150億円の赤字(前期は680億円の赤字)になりそうだと発表した。従来予想である350億円の赤字から上方修正し、赤字幅が縮小する見通しになった。鉄鋼アルミや素形材で自動車向けの出荷の回復が想定よりも早まって推移しているのを織り込む。航空機や造船向けは従来に比べ回復に時間がかかる見通しになったが、これを補って減益幅が縮小する。

 売上高は前期比12%減の1兆6500億円、営業損益は150億円の赤字(前期は98億円の黒字)を見込む。従来予想は1兆6400億円、350億円の赤字だった。企業の設備投資を圧縮したり、先送りしたりする影響が今後、機械系事業を中心に表れる可能性があるのを見越し、売上高の修正は小幅にとどめたという。鉄鋼の減産幅が縮小することによる採算の改善や、在庫評価の影響が改善したのも利益の上方修正につながった。

 年間の粗鋼生産量は565万トン程度になる見通し。従来予想の540万トンから引き上げた。4〜9月期の実績が248万トンで、10月〜21年3月の生産量を315万トンを見込む。下期は前年同期を上回る生産量になる見通しだが、「20年3月期の下期はすでに新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている」(勝川四志彦・取締役専務執行役員)という。新型コロナの影響前の事業環境に戻るまでの時間は見通しづらいのが現状だ。

20201106神戸製鋼セグメント

 同時に発表した20年4〜9月の連結決算は、最終損益が152億円の赤字(前年同期は62億円の赤字)だった。自動車向けの需要が想定よりも早く回復し、従来の会社予想である300億円の赤字より、赤字幅が縮小した。売上高は18%減の7764億円、営業損益は271億円の赤字(前年同期は74億円の黒字)になった。

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