JR西日本、料亭「松廼家」の料理など北野・旧乾邸で提供 12月から実証実験
- 2020/10/30
- 02:02
JR西日本は29日、老舗料亭「松廼家」(まつのや)などを運営するエムズブランディング(神戸市中央区)と連携し、神戸や兵庫の文化を体験できる文化振興の実証実験を実施すると発表した。JR西日本が神戸市中央区の北野地区に所有する歴史的建築物「三宮ゲストハウス」(写真=JR西日本提供)で、松廼家の料理を提供するほか、重要無形文化財の淡路人形浄瑠璃といった兵庫県内の伝統芸能なども披露する。
JR西日本の三宮ゲストハウスは貿易商だった大林保吉の住宅として1907年に完成。14年に海運業者の乾家が購入し、28年に洋館部分を増築した。神戸市が伝統的建造物に指定している。戦後、日本国有鉄道三宮寮として使われたが、国鉄民営化でJR西日本が引き継ぎ、現在の所有者になっている。同館で料理を提供することで、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて4月に休業し、そのまま5月に店舗を撤退した松廼家を復活させる形になる。
松廼家は1917年創業。かつて料亭が並んだ花隈町(神戸市中央区)でも著名な料亭だった。歴代の首相ら政財界人に加え、石原裕次郎が逗留したとされるなど多くの著名人が通ったという。だが95年の阪神淡路大震災で花隈の建屋が全壊した。当時の笹山幸俊・神戸市長が「神戸から松廼家の火を消すな」と、5月まで日本料理の店舗を構えた交通センタービル(神戸市中央区)との間を取り持った経緯もある。
三宮ゲストハウスで提供する文化振興のプログラムは、詳細を検討中という。エムズブランディングは松廼家の事業のほか、新神戸駅に隣接する商業施設コトノハコ神戸で「兵庫県おみあげ発掘屋」を展開。地元の物産や文化を紹介するノウハウを活用し、三宮ゲストハウスを舞台に、松廼家の再開に加えて神戸や兵庫ならではの新たな観光コンテンツの創出をめざすとみられる。
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