川重、今期営業赤字200億円に上方修正 オートバイ回復・ロボット好調などで
- 2020/10/29
- 12:14

川崎重工業は29日、2021年3月期の連結営業損益が200億円の赤字(前期は620億円の黒字)になりそうだと発表した。従来予想である300億円の赤字から上方修正し、赤字幅が縮小する。モーターサイクル(オートバイ)&エンジン事業が北米や欧州の一部で計画を上回る販売で推移。精密機械・ロボット事業では中国の建機市場向け油圧機器の売買が好調に推移していることが主因という。
売上高は前期比9%減の1兆5000億円を見込む。従来予想は1兆4600億円だった。新型コロナウイルスの影響については従来通り「航空宇宙システム事業は世界の旅客需要の低迷を受けて、完全な回復には相当期間を要する」「回復基調の中国建機市場向け油圧機器や半導体向けロボットを除いては需要回復に一定の時間がかかる」との2点を前提に予想を算出しているという。
一方で、これまで示していなかった最終損益の予想も開示。270億円の赤字(前期は186億円の黒字)になる見通しを示した。通期で最終赤字を計上するのはリーマンショック直後の2010年3月期以来11期ぶりになる。これを受けて中間配に続いて期末配当も実施せず、年間で無配にすることを決めた。年間を通じて無配になるのは02年3月期以来19期ぶりになる。
業績予想の前提は1ドル=106円、1ユーロ=123円とした。従来予想では、それぞれ106円、119円としていた。
同時に発表した2020年4〜9月期の連結決算は、最終損益が272億円の赤字になった。需要が後退している航空宇宙システムやかねて不採算の船舶海洋、米欧で新型コロナの影響がモーターサイクル&エンジンの収益悪化が響いた。坂出工場(香川県坂出市)の減損損失を特別損失に計上したのも響いた。売上高は前年同期比11%減の6573億円、営業損益は218億円の赤字(前年同期は86億円の黒字)になった。
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