楠瀬FDA社長、遊覧フライト「新しい事業モデルの柱の1つか」 全便完売
- 2020/10/27
- 11:30

フジドリームエアラインズ(静岡市清水区)の楠瀬俊一社長(写真)は、27日に開催した神戸空港就航1周年の記念式典後に報道機関の取材に応じ、人気を集めている同社の遊覧フライトについて「新たなビジネスモデルの柱の1つとして、もしかしたら今後成長していく可能性があるかもしれない」と述べ、新たな需要開拓への期待を述べた。新型コロナウイルスの感染拡大が影響して「運休、減便で機材に余裕があるので、これを利用して何かできないかと考えた答えの1つが遊覧だったが、始めてみると思いのほか好評をいただいている」と語った。
加えて楠瀬社長は「採算的には利益が出るようなレベルではまだないが、短い時間で、お手頃な料金でお客さまに乗っていただくという意味では、(遊覧フライトを)少し続けていくべきだろうと思っている」と話した。同社は今夏以降、名古屋(小牧)、静岡からそれぞれ出発し、富士山を眺めて再び出発した空港に到着する遊覧フライトを開催。神戸空港でも10月から瀬戸内海の夕焼けを見て神戸に戻る遊覧フライトを開始し、実施した便はすべて完売する人気になっている。
一方で、現在の局面で行政に求めることがあるか聞くと、「恩恵を受けている着陸料の減免は今後も続けてほしい」という。加えて「燃料税の減免をいただいているが、これも継続していただきながら、もっとメリットをいただきたいというのが正直なところ」と話した。「満席でも乗客数は84人と小さな機体で運航しているので、いったん失ったお客さまを取り戻すのが難しい」と説明した。
FDAは定期便の神戸就航から1年になるが、楠瀬氏は「この1年のうち半年以上が新型コロナの影響を受けて、まともに飛ばせていないのが残念」と振り返った。「採算点には、はるかに到らない」としながらも「9月以降は少しずつお客さまの数は増えている」と述べ、航空需要の回復に期待感を示した。楠瀬氏は日本郵船の出身で、6月22日付でFDAの特別顧問から社長に就任していた。前社長の三輪徳泰氏は代表権のある会長に就いた。
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