兵庫県が震災25年事業の記録誌 「阪神・淡路大震災復興基金」最後の事業
- 2020/10/22
- 00:30
兵庫県は21日、阪神淡路大震災から25年が経過したことを受けて実施した事業をまとめた記録誌(写真)を作成したと発表した。事業の概要や、1月17日に開催した「ひょうご安全のひのつどい」の様子に加え、同日午後に秋篠宮ご夫妻も出席して兵庫県公館で開いた追悼式典の写真なども掲載した。全200ページ。記録誌の作成は阪神・淡路大震災復興基金が資金を拠出して実施する最後の事業になる見込みだ。
阪神・淡路大震災復興基金は、震災が発生した1995年の4月に発足。兵庫県と神戸市が金融機関10行から8800億円を借り入れて、基金に無利子で貸し付けた。これを原資として基金は資金を運用し、収入を事業費に充てた。一方で兵庫県と神戸市が借り入れた資金の利払いには交付税が充てられる枠組みになったことで、兵庫県の井戸敏三知事は「全国の自治体が応援を受けた基金だった」と強調する。
基金で実施した事業について井戸知事は、「国庫補助事業では対応できないような、きめの細かい現場に即した対策をいろいろ打ち出すことができた」と評価する。加えて、阪神淡路大震災の後に起きた災害に拠出を決めた「生活復興資金を、基金事業として、国の基準とほぼ同額で支給することもでき、被災地の生活再建に大きな役割をはたした」と説明した。
井戸氏によると基金の残高は現在、数千万円ほど。「もう大きな事業はできる状況ではない」という。基金は3月30日に開いた理事会で、2021年5月末で基金を解散する方針を確認している。「25年の基金の機能や役割、どんな効果を挙げたのかなどをまとめて、しっかり残しておきたい」と話した。
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