六甲山上の光回線、12月25日に開通 山上の共有オフィスなど来年開業へ
- 2020/10/12
- 01:27
神戸市が六甲山に敷設を進めている光回線が12月25日に開通する。これまで山上地域への光回線は、まやビューライン(摩耶ケーブル・ロープウェー)沿いに敷設した回線が摩耶山上までしか通じていなかった。これを幹線道路沿いに六甲有馬ロープウェーの六甲山上駅まで延長。六甲山上のほとんどの施設が光回線を使った高速通信に接続できる環境が整う。神戸市が掲げる「六甲山上スマートシティ構想」の素地にもなる見通しだ。(写真は山上からの風景のイメージ)
六甲山スマートシティ構想は神戸市が今年5月に発表。かつて企業の保養所などに利用された空き施設を活用し、IT(情報技術)関連企業などを誘致する。国立公園内である六甲山上でも既存建築物を、メディアやデザインなど都市型創造産業の振興に寄与する事務所に、建て替えられるようにした規制緩和も進めた。ただ、これまで六甲山上には光回線が届いておらず、都市型創造産業の誘致は事実上不可能だったため、神戸市が通信インフラの整備に乗り出した。
通信インフラの整備を受けて、実際に六甲山上でビジネスに利用する場所作りも動き始めた。神戸市の「六甲山ビジネス拠点推進事業」は、シニアサロンなどを手がける「いきいきライフ阪急阪神」(大阪市北区)と地元不動産の「Lusie」(神戸市中央区)の共同企業体が受託。共有オフィスに共有キッチン、ワーケーション(働きながら休暇を過ごす)向けオフィスを備えた「共創ラボ」を、六甲ケーブル六甲山上駅から徒歩15分の場所で21年3月にも開設する。
このほか神戸市は「都市型創造産業振興事業」で六甲山上に2件の補助事業を選定。塗料・接着剤メーカーなどを傘下に持つアマデラスホールディングス(神戸市須磨区)は六甲山上の自社物件を増築、来夏にも本社機能を移転する。六甲山上にイベントスペースを整備中のリネスト・ジャパン(神戸市灘区)は、新たに六甲山上の物件を取得して、来春にも共有オフィスを開設する計画だ。
さらに年末までに「六甲山で働く魅力」を訴えるホームページを日本語と英語で開設する。こうした施設の利用者獲得にも乗り出す計画だ。
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