「途上国や被災地でも透析」が最優秀賞 第3回メドテックグランプリKOBE

20201010メドテックグランプリ

 10日に開催した健康・医療に関する次世代技術のコンテスト「第3回メドテックグランプリKOBE」の最終審査会では、最優秀賞に「高度インフラに依存しない血液透析デバイスをつくる」をテーマに発表した「スマートポリマー」が選ばれた。途上国や被災地など大量の水を供給するインフラに依存できない場所での血液透析治療ができる装置の開発をめざし、尿毒素を選択的・効率的に吸着する材料を開発する。副賞として賞金30万円と、事業投資500万円を受ける権利を獲得した。(写真は表彰式の様子、中央に荏原充宏氏)

 スマートポリマーの代表は、国立研究開発法人である物質・材料研究機構(茨城県つくば市)の研究者、荏原充宏氏だ。審査委員長を務めた人材教育会社のリバネス(東京都新宿区)の井上浄副社長CTOは、最優秀賞に選んだ理由について「世界の課題である透析の問題で真正面から素材で取り組んだ」点を評価したと説明した。「実現可能性の点数は断トツで低かったが、それでも問題を一緒に解決していこうと審査員の間で話し合った」と語った。

 メドテックグランプリKOBEは神戸医療産業都市によるベンチャー支援と技術発掘を目的に開催。2018年から年1回のペースで開催している。主催は神戸市と神戸医療産業都市推進機構、リバネスの3者。今回は応募した106チームの中から最終審査会までに12チームにしぼった。最優秀賞のほかスポンサー企業各社も賞を出した。スマートポリマーは協和キリン賞も同時に受賞した。各賞は以下の通り。

 エクサウィザーズ賞=protect kid’s brain(非けいれん性てんかん発作からこどもの脳と心を守る)▽SOMPOホールディングス賞=スリープウェル(小型睡眠脳波計を用いた精神疾患診断プログラム開発)▽TaishoFRC賞=PaMeLa(痛みの客観的評価により患者のQOLを向上させる)▽日本ユニシス賞=メロディ・インターナショナル(モバイル胎児モニターで安心・安全な出産を届ける!)▽ロート賞=乳房再建用人工脂肪(人工脂肪を活用した乳房再建の実現)▽神戸医療産業都市賞=プロジェニサイトジャパン(再生医療を細胞から薬へ)

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