兵庫県債の発行条件「1000億円の税収不足」影響せず スプレッド他県並み

 兵庫県が8日に発行条件を決めた10年物と20年物の公募地方債では、新型コロナウイルスの影響を受けて大幅な税収不足の見通しになったことの影響が、発行条件にほぼ表れなかったようだ。井戸敏三知事は県議会や記者会見などで相次いで、2020年度は当初予算に対して1000億円規模、21年度は財政フレーム(財政計画)に対して2000億円規模の税収減が見込まれることに言及。兵庫県の財務内容の悪化や、兵庫県債の発行増の可能性が高いといった見方も出そうだが、足元ではこれを上回る勢いで投資家の買いが入った。

 井戸知事は税収不足に関連して、税収が想定を下回った場合の「減収補てん債」の発行について認めるよう、国と話を進めていることも明らかにしている。1000億円や2000億円といった規模の税収不足であれば、20年度の当初予算で1700億円を計画した公募地方債の発行額は、21年度以降に増加する可能性が高まる。一般論としては投資家が兵庫県債への買いをいったん見送り、大量発行後に安くなってから(利回りが上昇してから)買おうという動きに傾きがちだ。ただ、足元の投資家の動きは異なっている。

 兵庫県は今回、10年債、20年債の両年限とも発行額100億円程度として、主幹事証券会社を通じた投資家の需要調査を開始した。その結果、10月に入って7日までに、すでに16県市が2450億円の10年債、2県市が350億円などを起債していたにもかかわらず、兵庫県債は両年限を200億円に増額した。基準とする国債利回りへの上乗せ幅(スプレッド)も10年債が0.105%、20年債が0.045%と他県並みに決まり、兵庫県の前回債に比べると縮小した。地方債としての兵庫県債への需要の強さを改めて確認した形になった。

 背景には低金利による運用難で、国債に比べて利回りが高く、国債に準じた信用力があるとされる地方債への人気が、投資家の間で高いことがあるとみられる。一方で、新型コロナウイルスの影響を受けた税収減は、兵庫県だけの問題でもない。他の自治体でも大幅な税収不足への懸念が浮上している。地方債の発行は総務省が管理しているとはいえ情勢は流動的で、地方債の発行増などによる自治体の資金調達金利の変化が、今後注目される場面もあるかもしれない。

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