今年の「灘の生一本」は10月8日発売 9社が参加、酒質審査を厳格化
- 2020/09/16
- 12:05
神戸市から西宮市にかけて広がる江戸時代からの酒造業の集積地「灘五郷」では、9社が2020年の「灘の生一本」統一ブランド製品(写真=灘五郷酒造組合提供)を10月8日に一斉に発売する。兵庫県産の酒米だけで醸造した純米酒。各社の醸造技術者が腕をふるい、それぞれの特長を生かした今年の豊かな実りを味わえる。いずれも720ミリリットル瓶詰めで発売。例年開催してきた「特別先行試飲会」は今年に限って中止する。
生一本(きいっぽん)は国税庁が「清酒の製法品質表示基準」で、ひとつの製造場だけで醸造した純米酒に表示できると決めている。起源は定かではないが、江戸時代に灘の酒が江戸で人気を集めた際、灘以外の酒をブレンドしてかさまししていないことを示すために「灘の生一本」が強調されたとの説がある。このため「生一本」は日本で初めての原産地証明ともいわれる。
統一ブランドでの販売は、今年で10年目。各社の香りや味わいがひと目で分かるように、酒質審査で認めた酒質表現(味の説明)だけをラベルに表示した。酒質表現は例年、醸造したメーカーが提示した文案が適切かどうか、「灘の生一本」の参加各社が相互に試飲して審査する。今年から、味わいを評価する指標「甘辛」「濃淡」の度合いを示す図と、酒質表現が一致するよう審査をさらに厳格化した。
今年は沢の鶴、剣菱、白鶴、菊正宗、桜正宗、浜福鶴、白鹿、日本盛、大関が参加。各社とも生一本を通じて品質の向上を競い合い、灘の酒に伝わる味の豊さや、文化の奥深さを楽しめるように工夫する。価格は税別で1170〜1500円。全国の酒店などで販売する。北野工房のまち(神戸市中央区)にある灘五郷酒造組合のアンテナショップ「灘の酒蔵通り」では全9種を取り扱う予定だ。
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