そごう西神店が閉店、そごう・西武が近畿撤退完了 テナントは出店継続の意向か

20200901西神そごう

 そごう西神店(神戸市西区、写真)が31日に閉店した。西武大津店(大津市)も同日閉店し、セブン&アイ・ホールディングス傘下の百貨店「そごう・西武」は近畿地方からの撤退を完了した。そごう・西武は2017年10月1日付で、当時のそごう神戸店(現神戸阪急)と西武高槻店(現高槻阪急)とともに、そごう西神店の売却も進めたが、まとめて売却できなかった経緯があった。

 そごう・西武は、そごう西神店の売却を見送ったあとも百貨店業態での営業を続けたが、今回のそごう西神店の撤退によって、住宅地の中心駅に隣接する商業施設に適した業態への転換が可能になった形だ。後継の商業施設の運営は、優先交渉権を総合商社の双日が獲得。双日は2021年11月までに新たな商業施設をオープンさせる見通しだ。

 関係者によると、そごう西神店が入居していた建物を管理する神戸市の外郭団体「神戸交通振興」(神戸市長田区)は、そごう西神店のテナントに対してアンケート調査を実施。1階の食品売り場を中心に、多くのテナントが後継施設への出店継続を希望したもようだ。ただ出店を継続するための条件などは現時点で明らかではない。テナントによると、現時点では双日との交渉は始まっていないという。

 地元利用者の期待が大きい1階の食品売り場は、早期の営業再開が難しいとの見方もある。百貨店への出店と新たな商業施設への出店では契約内容が異なるとみられるほか、そごう西神店がテナントに貸与していた設備は、撤退後に誰が補充するのかといった詰めが必要になるためだ。そごう西神店は原状復帰のうえで10月ごろにビルを明け渡すとみられるが、少なくともこの時点での営業再開は難しそうだ。

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