メディカロイド、国産初の手術支援ロボット「hinotori」発表 製造販売承認を取得

20200811メディカロイド記者会見

 川崎重工業とシスメックスの共同出資会社で医療機器を開発するメディカロイドは11日、7日に厚生労働省から製造販売承認を取得した、国産初の手術支援ロボット「hinotori(火の鳥)サージカルロボットシステム」を発表した。人体への負担が軽い(低侵襲=ていしんしゅう)手術をめざす流れの中で、開腹手術を避けて内視鏡を使用するケースが増えているが、これを支援するロボットは国産のものがなかった。この分野に川重が持つロボットの技術と、シスメックスが検査機器で蓄積した医療機器のノウハウを出し合って参入した。

 11日に神戸市内で記者会見を開いて、メディカロイドの浅野薫社長と田中博文副社長が説明した(写真)。ロボットのシステムは、実際に手術をするロボット「オペレーションユニット」、医師が操作してロボットを動かす「サージョンコックピット」、サージョンコックピットに表示する映像の統合や音声を制御する「ビジョンユニット」の3つの部分で構成する。オペレーションユニットは4本の腕を持ち、人間の腕の動きに近い滑らかな動きが特徴だ。通常の産業用ロボットなどに比べて関節の数を増やしながら、コンパクトな腕にした。執刀医の指先のように敏感に反応し、体内での切ったり縫ったりといった微細な動きに対応する。

 ロボットはネット接続して、手術前や手術中など常に正常に稼働しているかメディカロイドのセンターでも確認できる。さらに、ベテランの医師がロボットをどう操作したかをデータとして記録し、若手医師のトレーニングに使うことも可能だ。名称は日本を代表する漫画家で医師免許も持った手塚治虫の作品「火の鳥」から。人につかえ、人を支えるロボットという考え方に手塚プロダクションからも賛同を得たという。今月中にも発売し、販売目標などについては浅野社長は「販売総代理店であるシスメックスと協議して決める」という。価格は「適正な価格で」(浅野社長)と述べるにとどめた。

 記者会見に同席した川重の橋本康彦社長(メディカロイド会長)はあいさつし、「2018年にロボット事業が50周年を迎えたのを機に『産業用ロボットメーカーから総合ロボットメーカーへ』を掲げてさまざまな分野にロボットを展開したが、その中核がメディカロイドの医療用ロボット」と説明。「川重が得意とする顧客密着型」のロボット開発のノウハウをメディカロイドにも導入し、世界の医師から高い関心を集めたと話した。「今後は川重が医療用ロボットのメンテナンスに進出するほか、遠隔手術などの技術開発に取り組む」と話した。

 続いてあいさつしたシスメックスの家次恒会長兼社長CEOは「1998年に始まった神戸医療産業都市として初めての大型製品になり、地元のご協力のたまものと感謝したい」と話す。「(米国製ロボットの)ダビンチが独占してきた市場であり、川重の50年の技術の積み重ねが強みになると考えた」という。「レベルの高いアカデミア(学会)と高い技術をグローバルにどうアピールするか」「シスメックスが持つ病院へのグローバルネットワークも販売に役立つ」と世界展開に意欲を見せていた。

 今回は泌尿器科領域で承認を得たが、今後は婦人科や消化器科の領域でも承認を取得したい考えだ。国内での販売に加えて海外展開をめざし、すでに米州や欧州に現地法人を設立した。すでに発売したロボット手術台との連携のほか、さらに手術ナビゲーションシステム、遠隔手術などの技術開発を進める。2030年にはメディカロイドとして1000億円の売上高をめざすとしている。

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