新長田再開発の検証で有識者会議 「意思決定の過程追跡が必要」とも

20200808新長田有識者

 神戸市は7日、阪神淡路大震災から2カ月後の1995年3月に都市計画決定して開始した新長田駅南地区の再開発事業の完了にめどが付いたのを受けて、同事業を検証する有識者会議を開いた。被災者にとって早期の生活再建に寄与したのか、災害に強い街づくりはできたのか、などを改めて検討。そうした中で通算で326億円の収支不足が発生した意義などを探る。11月ごろまでに3回の有識者会議を開いて、年内にも報告書にまとめる方針だ。(写真は出席した有識者と、あいさつする今西正男副市長=左)

 この日の会議では、まず神戸市が再開発事業のあらましを説明。震災前から複数の再開発の構想があったうえ、震災による全半壊や焼失した建物が多い地域を取り込んだ結果、約20ヘクタールと当時としては国内有数の広い地域の再開発になったといった経緯なども示した。そのうえで兵庫県立大学の加藤恵正教授を座長とする有識者らが、事業検証の進め方について議論した。

 出席した有識者からは、長田区の地場産業であるケミカルシューズ関連の工業や卸売業などが、再開発後に同地からすべて転出した背景を探る必要もある、といった指摘も聞かれた。一方で、被災者の生活再建という観点では、提供した住宅の戸数などの外形的な数値だけでなく、生活の豊かさに関する指標などにも目を向けるべきではないか、といった意見もあった。議論のために新たに必要になったデータなどは、神戸市が次回の会合までにまとめて委員らに提示する。

 当初は2710億円を投入し、およそ3000戸の住宅と商業スペースを供給する計画だった。ただ、このほど全体事業費が2279億円にとどまることが判明。再開発地域内の一部のマンション建設が民間に切り替わったことで、神戸市の支出が抑えられた面が大きいという。約500億円もの民間投資を誘発した再開発事業と評価できる可能性もあるが、出席した有識者からは「どのような意思決定によって当初の計画と異なる結果になったのか、過程を追跡することが検証にはぜひ必要」との声も出ていた。

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