久元神戸市長「寄付金と公費で開催」 来年の神戸国際フルートコンクール
- 2020/08/06
- 03:35
神戸市の久元喜造市長(写真=神戸市提供)は5日に大阪市内で記者会見し、2021年8月26日〜9月5日に開催する第10回神戸国際フルートコンクールについて「かなり大口の寄附金と、市民と経済界の寄付、それに神戸市の公費で開催をしたい」との方針を改めて述べた。「どれぐらいの公費を投入するのかは、令和3年度(2021年度)の予算編成で考えたい」と話した。2017年に開催した前回は、久元市長が「市民の間でほとんど知られておらず、還元が見えづらい」として、約5000万円の補助金支出を見送った経緯があった。
前回の第9回は、久元氏が補助金支出を見送ると決めると、市議会を中心にコンクールを開催を求める声が上がった。このため神戸市が補助金を見送った分を個人による寄付で補い、公費を投入せずにコンクールの開催にこぎ着けた。一方で、神戸国際ちくわ笛音楽祭や、500人のフルート奏者が集まる演奏会など、コンクールをきっかけとした住民向けの音楽イベントも開催。「多額の公費を投入しながら市民が知らないという実態も変わってきたことから、公費を投入して第10回を開催してもよいのではないかと考えた」と語った。
第10回神戸国際フルートコンクールの日程は神戸市が昨年8月に開催していたが、参加者の募集開始を10月1日に控えて詳しい開催要項を記者会見で発表した。主催は神戸市や日本フルート協会(東京都品川区)など。第1次審査〜本選を神戸文化ホール中ホール(神戸市中央区)、表彰式・披露演奏会をポートピアホール(神戸市中央区)が会場になる。予備審査(動画と書類審査)に通過した50人程度が出場する。審査委員長は洗足学園音楽大学客員教授の酒井秀明氏が務める。
神戸国際フルートコンクールは1987年に国際音楽コンクール世界連盟(本部スイス・ジュネーブ)に正式加盟。世界でも珍しいフルートに特化した国際コンクールで、世界3大フルートコンクールの1つとも数えられる。前回は応募者数240人のうち200人超が海外からと国際的な知名度が向上しており、若手の登竜門として音楽関係者の関心も高まっているという。
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