ワールド、低収益の358店を撤退など構造改革 希望退職200人を募集
- 2020/08/05
- 23:54
アパレル大手のワールドは5日、ブランドの廃止・統廃合や低収益店358店の撤退に加え、希望退職者200人の募集を柱にした構造改革を実施すると発表した。2021年3月期に57億円の構造改革費用を計上する。ブランドや店舗数の削減などは今期からの3年間の中期計画で段階的に計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で業績が悪化したのを機に前倒しする。22年3月期以降は年36億円程度の損益改善効果を見込む。(写真は神戸市中央区のワールド本社ビル=資料)
ブランドの廃止・統廃合では、「ハッシュアッシュ・サンカンシオン」「アクアガール」「オゾック」「アナトリエ」のほか1ブランドの廃止。これとは別には複数のブランドを統廃合することで、消費者の購買行動の変化に対応。経営を効率化する。
撤退する低収益店358店は、7月末時点の国内店舗数(2460店)の約15%に相当する。このうち214店はブランドの廃止に伴う閉店になるという。撤退する店舗の中には黒字の店舗もあるが、新型コロナの影響も考慮したうえで立地の将来性なども含めて、総合的に判断して決めた。
希望退職は、退職日である11月20日時点で40歳以上の店舗勤務者以外を対象に、約200人を募集。人件費削減で固定費を圧縮する。9月14〜30日に募集する予定だ。割増退職金の支給と再就職支援を実施する。
ブランドの廃止と統廃合、低収益店の撤退と希望退職、撤退に伴う固定資産の除却損と違約金は合計およそ21億円を見込む。のれんの減損損失は約17億円、商品廃棄損は4億円になる見通し。さらに希望退職者の退職金への特別加算金、さらに本部社員の約6割がテレワークを実施していることなど賃借している事務所面積の削減を検討しており、構造改革費用は約57億円になると見込んでいる。
このほか経営責任を明確化するため、取締役とグループ執行役員の役員報酬減額を強化。7月から21年6月まで寺井秀蔵シニア・チェアマン、上山健二会長、鈴木信輝社長の役員報酬を月額30%減額、副社長執行役員とグループ執行役員は20%減額、これら以外の取締役、グループ執行役員などは10%の減額をそれぞれ実施する。21年3月期は取締役とグループ執行役員らの賞与も支給しない。
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