約20カ国の107人が遠隔参加 有馬〜六甲のバーチャル自転車レース大会 

20200727有馬VirtualRide

 有馬温泉周辺のみやげ物店や飲食店などで構成する有馬商店会(神戸市北区)は26日、有馬温泉〜六甲山頂のヒルクライム(山登り)コースをアプリ上で競う自転車レース大会「有馬-六甲バーチャル・ライド・レース」を開催した。会場に招待したプロサイクリストなど4選手に加え、遠隔地から107人がレースに選手として参加。有馬温泉「金の湯」付近から六甲山頂までの約15キロメートルのコースを仮想空間上で競った。参加した選手の所在地は20カ国ほどに広がったという。大会の様子は動画配信サイトのYouTube(ユーチューブ)を通じてライブ配信した。(写真は配信した動画と会場の様子)

 実際のコースをAR化(拡張現実処理)してサイクリングアプリに取り込み、ネット接続したパソコンと、自転車の負荷を調整するトレーニング用のローラー台をブルートゥースで接続。あらかじめ体重などを登録することで、コースの傾斜によって負荷が自動的に重くなったり軽くなったりする。招待した選手らは各自の自転車を持ち込み、実際の大会さながらで臨んだ。優勝は遠隔参加した選手。会場の選手で最も上位になったのは、数多くのヒルクライム(山登り)レースで優勝経験のある兼松大和選手が3位に食い込んだ。

 優勝した選手には、実行委員会から記念のサイクルジャージを発送する。兼松選手は試合後に「実際に走ったことのあるコースだったが、リアルに再現されていて実際のレースのように楽しめた」という。ただ実際のレースだと一瞬で通り過ぎる観客が、レースの最初から最後まで選手の近くで応援し続けるのが大きく異なる点。観客はレース展開だけでなく、選手の表情を変化なども見ることができる。今回の観客は関係者に限られたが、会場の選手はそろって「みんなの声援も力になった」と話していた。

 雨天のため会場を当初予定した、完成まもない有馬川親水公園から屋内への変更したが、それでも開催できたのも、こうした「eスポーツ」の特徴といえそう。レース実況を担当した城崎温泉・三国屋(豊岡市)の田岡聖司専務は「コースがとても美しく再現されていて、魅力が伝わってくる。実際のサイクルツーリズムの振興にも100%つながると思う」と語る。発案者の1人である流通科学大学の山口志郎准教授は、「単発のイベントで終わらず、有馬の観光振興や六甲の新たな魅力創出につなげていきたい」と今後の展開に意欲的だった。

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