国内消費の回復は鈍く、中国回復は実感も 神戸商工会議所の副会頭6人が語る

20200707神商記者会見

 6日に開いた神戸商工会議所の定例記者会見では、6人の副会頭がそれぞれ足元の事業の状況などを語った。政府による新型コロナウイルスの緊急事態宣言は解除されたが、総じて国内消費の回復は鈍いとみている。特に観光分野では感染が再拡大する「第2波」への懸念で先行き不透明感が強い。一方で、すでに経済指標などに表れている中国経済の回復には、実感が伴っているようだ。

 小泉製麻会長の植村武雄副会頭は、同社の経営に対する新型コロナの影響について「全体で見れば小幅なマイナス」という。工場跡地などで経営するショッピングセンターの客足は鈍く、「経営するボウリング場などは、まだ客足が半分も戻していない」という。だが「液体容器事業ではアルコール向けなどで特需的な需要」があり、ある程度は補ったと話していた。

 みなと銀行特別顧問の尾野俊二副会頭は、商工会議所で中小企業会員向けサービスを担当。制度融資などへの対応で人手がひっ迫している状況という。一方で、「銀行なのでいろんな相談を受けるが、少し問題なのは行員の健康問題だ」という。「お客さまも大変だが、行員も相当厳しい状況に置かれている」と述べ、先行き不透明感から中小企業向けの対応が増えていることを示した。

 化粧品販売の田嶋社長である伊藤紀美子副会頭は、「主要な販売先はホテルだが、ホテル業界は非常に厳しいし、これがしばらく続くと覚悟はしている」と話す。加えて外出を控える影響による需要減で、「化粧品についてはオンライン(ネット通販)も下がっている」といい、回復には時間の経過が必要とみていた。訪日客の減少が神戸経済に与える影響が小さいことや、特別定額給付金の迅速な給付が実現したことなどを背景に、神戸経済の底堅さに期待する。

 アシックス会長の尾山基副会頭は、観光地経営組織(DMO)神戸観光局会長の立場から「6〜7月は京都駅や大阪駅のサイネージ(電子看板)に比較的高い頻度で有馬温泉・六甲山の広告を出しており、状況を見ながら8月末〜9月初めに(昨年のラグビーワールドカップのキャンペーン同様)再び首都圏に広告をシフトする」といい、国内観光客の獲得をねらう。ただ東京都では新規の感染者数が連日で100人を超え、都県境を越えた移動の自粛が求められる中で、情勢は流動的との見方を語った。

 神戸製鋼所顧問の森地高文副会頭は「会社(神戸製鋼)の方は土砂降り状態」という。ただ「中国を中心に自動車は回復している」ことから「4〜6月が底だと思いたい」とみている。一方で「中国が本気で経済再生に走り出すと、雇用維持の観点から鉄鋼の生産を拡大する」とも。このため「鉄が余ってくるので、むしろアフターコロナの方が懸念材料かもしれない」と警戒していた。

 ノーリツ会長の国井総一郎副会頭は、中国での売上高が「1〜3月は(前年比)3分の1、4月は6割、5月は8割、6月は100%を超えるといった状況だ」と打ち明けた。「中国の動きは明らかに速いと思っている」と語る。ただ「中国が良くなったら米国が悪くなってくる、日本国内も悪くなってくるといった状況がある」のが現状。「コロナウイルスが収束しても(国内経済は)7割にしか戻らないだろう」「ということは損益分岐点を3割下げる、といった対応を今やるべきだと思っている」と話していた。

(写真は右から国井氏、森地氏、尾野氏、家次恒会頭、植村氏、尾山氏、伊藤氏)

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