神戸市「中小企業の後継者探し支援」で第1号 骨伝導集音器の開発販売会社

 神戸市が2018年度に始めた企業の後継者探しを支援する「100年経営支援事業」で、事業の創業者と引き継ぐ起業家の間で初の事業譲渡が設立した。支援事業の実施主体である外郭団体の神戸市産業振興財団(神戸市中央区)が23日に発表した。事業譲渡が成立したのは骨伝導集音器を開発・製造・販売する「ソリッドソニック合同会社」(神戸市垂水区)で、2月20日付で事業譲渡契約を結んだ。

 音が聞こえなかった人が音を感じたり、言語と認識できなかった音を認識できるよう鮮明になったり、といった骨伝導振動子の技術を創業者の田中哲広氏が10年かけて蓄積。譲渡後もこの技術を引き継いで事業化を進め、聴覚障害者の聴力を補う製品開発をめざす。田中氏は今後も取締役にとどまり、引き続き経営に参画するという。

 1948年生まれの田中氏が年齢面から中長期的な事業継続に限界を感じ、神戸市産業振興財団の「KOBEあとつぎサポートチーム」に相談したのがきっかけ。一方、80年生まれで大手電機メーカーに勤務し、起業を模索していた久保貴弘氏が同財団の「後継者候補」に登録。昨年11月から田中氏と久保氏が協議を始め、条件面などで合意した。財団のコーディネーターが支援して提携金融機関からの資金調達も実行した。

 神戸市による制度の設置から約2年でようやく1件の事業承継が完了した形だが、「もともと話がまとまるまで時間がかかる案件が多い事業のため、着実に進めたい」(神戸市産業振興財団)という。現在、同財団を通じて後継者を探しているのは15社。後継者候補の登録者は128人だ。技術や雇用を承継するためにも、同財団はできるだけ多くの企業に相談してほしいと呼びかけている。

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