スーパーコンピューター「富岳」が世界初の4冠 性能の世界ランキングで
- 2020/06/23
- 00:00
理化学研究所と富士通が共同で開発して理研の計算科学研究センター(神戸市中央区)に設置したスーパーコンピューター「富岳」は、世界のスーパーコンピューターの性能ランキングである「TOP500」など4つの主要なランキングで首位を獲得した。ドイツ・フランクフルトで開催している高性能計算技術に関する国際会議「ISC2020」などで22日発表した。4つのランキングで同時に1位を獲得するのは世界で初めて。
富岳が1位になったのは、TOP500に加え、実際のアプリケーションなどでよく利用される計算方法でみた処理速度のランキング「HPCG」、人工知能(AI)で主に使用する演算方法でみる性能の指標「HPL-AI」、ビッグデータの分析で重要になる大規模グラフ解析の性能ランキング「Graph500」の4つのランキング。富岳は現時点でまだ開発・整備中だが早くも性能の高さが示された形だ。
理研によると、4つのランキングで同時に1位を獲得したことで「総合的な性能の高さ」を示すという。富岳を設置した計算化学研究センターで昨年夏まで稼働した「京」が得意としたシミュレーションに加え、AI開発、情報の流通や処理に関する技術開発など、今後急速に進展するとみられる幅広い分野で、高い性能を発揮する技術基盤として存在感が期待できそうだ。一部で先行利用が始まっているが、21年度内の全面的な利用開始を予定している。
日本のコンピューターがTOP500で首位を獲得するのは「京」以来8年半ぶり。計算化学研究センターの松岡聡センター長は「開発された『富岳』のITテクノロジーが世界をリードする形で普及し、新型コロナに代表される多くの困難な社会問題を解決していく」と期待するコメントを発表した。
神戸を拠点にスーパーコンピューターの産業利用を促進する計算科学振興財団の秋山喜久理事長は「諸外国に先んじて世界最高性能のスーパーコンピューターを利用できることは、我が国産業界にとって国際競争力を維持・強化するうえで極めて重要」「新型コロナウイルスの克服など新たな経済社会の形成に大きく貢献することが期待される」としている。
▽兵庫知事・神戸市長コメント
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