雨傘シェアリング実証事業スタート、神戸市内など90カ所で 7月末まで無料
- 2020/06/15
- 15:20
阪急阪神ホールディングス傘下の阪神電気鉄道、神戸市、傘シェアリングのネイチャーイノベーショングループ(東京都渋谷区)は15日、神戸市内の各地や阪神の駅構内など約75カ所に専用傘立てを設置して、雨傘を共有するサービス「アイカサ」を活用した実証事業を開始した。専用のスマートフォンのアプリで登録した人が、傘立てから傘を取り出して利用できる。7月末までは大阪ガスがスポンサーになり、無料で利用できる。(写真は神戸市役所に設置した専用傘立て)
傘立ての場所は7月中にも約90カ所まで増やし、2000本の傘を共有するようになる。当初は4月からを予定していた。神戸市による新型コロナウイルスの感染症対策などの影響で開始が遅れたが、ちょうど梅雨の時期のスタートになった。使用料は1日70円で、何回も借りたり返したりできる。借りっ放しでも月内の上限は420円になる。専用傘立ての設置場所90カ所のうち、49カ所(39駅)は阪神の駅を予定する。安全上設置が難しい駅などを除く全駅に傘立てを配置した。
ネイチャーイノベーショングループは、傘のシェアリングサービスが普及することで、ビニール傘の無駄な消費がなくなるのではないかと考えた丸川照司代表が2018年6月に起業した。神戸市では環境対策になるシェアリングエコノミーの普及をめざす一環で、神戸での実証事業を同社に呼びかけた。さらに神戸市とネイチャー社はアプリのデータ利用についても協定を結んだ。雨天で人の流れが変わるかなども調べ、街づくりにも生かしたい考えだ。実証事業の期間は2年を予定する。
阪神電鉄も、忘れ物として年1万本以上届く傘の廃棄を減らせると見込む。傘のデザインには「神戸タータン」を採用。傘は骨が折れても1本ずつ交換できる、新しいタイプの傘を投入した。すでに東京でも実証事業を初めており、神戸で借りた傘を東京で返すことができる。ネイチャー社は近く、奈良市でもサービスを始める計画だ。
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