コロナ後のMRは「デジタル中心か」 日本イーライリリーのトムセン社長
- 2020/06/02
- 15:45
米製薬大手イーライリリーの日本法人である日本イーライリリー(神戸市中央区)のシモーネ・トムセン社長(写真=日本イーライリリー提供)は2日、テレビ会議システムを通じた記者会見で、新型コロナウイルスの感染収束後も「医薬情報担当者(MR)はデジタル活動が中心になるだろう」との見通しを語った。従来も「医療従事者に価値を提供するには実際に対面すべきだと考えてきたが、あわせてオンラインでのコミュニケーションも重視してきた」という。「特にここ数年はデジタルツールへの投資を増やしていたのが、今回の新型コロナの流行でも生かされた」と話した。
トムセン社長は「当社はすべてのMRが(テレビ会議システムの)Webexなどを通じて、顧客とオンラインで連絡を取れるようにした初めての企業の1つだと思う」という。「今後も、こうした手法を拡充、充実させて、顧客の期待に答えたい」と話していた。対面の頻度やMRの人数などについては「デジタルツールを使うからといって人数の変更は考えていない」「デジタルは忙しい顧客に、より柔軟な形で価値を提供できるツールと考えているため、組織の構造に影響を与えることはない」との見方を語った。
同社の顧客でも約3割がMRの活動について「よりオンラインを多く」「オンラインのみで」と考えているという。一方で、ぜひとも対面で話がしたいと考えている顧客もある。「顧客によってニーズは異なるが、われわれはすべてのニーズに応えていきたい」と話していた。
トムセン氏は4月14日に発表した2019年12月期の業績について「堅調に成長した」との見方を示した。19年12月期の売上高は、前の年に比べ4.5%増の2750億円だった。前期の業績はトムセン氏が記者会見して発表する予定だったが、新型コロナの影響で記者会見を延期していた。同氏は昨年9月1日付で日本イーライリリーの社長に就任し、初めての業績発表になる予定だった。
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