神栄の前期、最終赤字6億7700万円 繊維の不採算店は撤退・今期予想開示せず
- 2020/05/22
- 19:09
神栄は22日に発表した2020年3月期の連結決算は、最終損益が6億7700万円の赤字(前の期は3億9600万円の赤字)だった。フイルムコンデンサの取引に関する米国での終端訴訟に対応するための訴訟関連費用6億5100万円と、事業整理損4億4100万円など、合計11億7700万円の特別損失を計上したのが響いた。投資有価証券と固定資産の売却益3億1300万円を特別利益に計上したが、補えなかった。神栄は1日に、前期の業績予想を下方修正し、最終赤字が6億7700万円になったと発表していた。
売上高は前の期比4%減の411億円、営業利益は78%増の3億5900万円になった。電子関連では、空気清浄機用のホコリセンサーの中国向け輸出が想定どおり回復しなかったほか、米中貿易摩擦や1〜3月期の国内設備投資の冷え込みで落下・衝撃試験機が伸びなかった。食品関連は、新型コロナウイルスの感染防止のための外食需要の減少も響いた。減収だったが不採算店の撤退などで繊維関連の損失が前の期に比べ縮小し、同社全体では営業利益が増加した。
同時に21年3月期の業績予想は開示しなかった。新型コロナウイルスの業績への影響が合理的に見積もることができないため。もっとも前期は繊維関連のうち不振だった事業からは撤退が完了。フイルムコンデンサの取引に関する米国での一連の集団訴訟などでは、主要な原告と和解合意に達した。これらが今期の収益改善要因になるとしている。
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