兵機海運の前期、純利益55%減 期末配当は据え置き・今期の予想開示せず
- 2020/05/12
- 22:13
兵機海運が12日に発表した2020年3月期の連結決算は、純利益が55%減の1億6100万円だった。主力の内航海運では、国内で建材需要が一巡したことなどを背景に、鉄鋼の輸送量が伸びず同社全体としても減収になったのが響いた。外航海運では下期から新規参入したフィリピン航路は、鋼材需要の低迷期に入ったのが収益の逆風になった。未定としていた期末配当は前期据え置きの50円。
売上高は3%減の139億円、営業利益は39%減の2億7200万円になった。事業分野別の売上高は、内航海運が5.9%減の64億円、外航海運が5.4%増の16億円、港運事業は3.2%減の44億円、倉庫事業は5.0%増の13億円だった。倉庫事業は姫路地区の危険品倉庫は好調だったが、一般コンテナ貨物をあつかう阪神地区の倉庫は総じて厳しかったという。神戸地区の新倉庫はコストが先行。
21年3月期の業績予想は開示しなかった。主力の内航事業は鉄鋼輸送の需要がさらに後退すると見込む。加えて環境負荷が小さい燃料のコスト高や、若手船員の育成費用などもかさむとみられる中、新型コロナウイルスの影響が収束するかが焦点になるようだ。
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